現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

方立ての話

早速ですが、昨日のクイズの解答を。

satorusanさんのコメントにあったように12ミリを二重にするのは正解。
他に選択肢はあまりないと思う。

方立てではないが、キッチンの袖壁を建具屋さんに20ミリ厚フラッシュで作ってもらったが、それなりの値段になるし工程も遅れる。

今回は強度を求めてベースパネル12ミリの二重にした。
クロス貼り側は灰汁止めシーラーと全面パテで対応する。
一枚ずつの現地施工ではなく、事前に現場で接ぐ(はぐ)事に。

必要サイズにカットし、下から6尺と上から6尺としパネルのジョイントを分ける。
木工ボンドを塗布し、外周部はクランプで中央部は天井からサポートリフターで二枚を圧着しコンパネビス止め。
コンパネビスは32ミリなので貫通してしまう。
後から切断砥石でカット。

これでうす壁が完成。
でも待てよ
鴨居とマグサ、戸尻側は下地外面と建具枠が揃っているので、うす壁を止めるのに問題はない。
でも方立てと床へはどうして止める?
このままでは方立ても床側もブラブラ。

もちろん対策済み。
ベースパネル二重接ぎの方立て側は4ミリずらしてある。
そして新建材の方立てには12ミリ幅、奥行4.5ミリで溝付きしてある。
そう!ベースパネルの4ミリズレをオスとし新建材の溝に差し込むとこで通りと強度を求める。
方立てビス座掘り穴から二本フィニッシュ止めし効かせる。
とりあえずのビスも揉みキャップ。

この方立ては40×20ミリしかない。
いくら小穴カッタ好きでも躊躇するサイズ。
しかも替えが効かない新建材セット枠。
失敗は許されない。

そこで溝の両端を毛引きを入れ塩ビシートをカット。
それからストレート12ミリビットのトリマで慎重に溝を付く。

MDFとトリマは最悪の組み合わせ。
小形集じん機R30Y3のホース先端を持って作業したが役立たず。
気のせいか昼飯もMDFの味が(笑)

床側はベースパネルを二重に接いだ後、一枚だけ下から20ミリをカット。
そのキレを床に張り付ける。
フィニッシュで仮止めし、馬鹿穴気味に下穴開け細ビスで脳天から止める。
これが床側の壁通りであり受け材。

そこに接いだうす壁を合わせ、ボンドとフィニッシュで止める。
フィニッシュは25ミリ斜め打ちで貫通を避ける。
以上がうす壁とその対応策。

実際、方立てはかなり安定し通りも良い。
床側も多少なら蹴っ飛ばしても大丈夫。

下請けの場合、与えられた環境、時間、材料で良い納まりを模索しなければならない。
そこが問われている。
今回の施工は褒められる施工ではないが、かと言って責めらる施工でもないかと勝手に思っている。
風呂の入れ替えリフォーム完了。


今週の現場調査

テーマは「スライド丸のこ」
これを持ってない大工は稀でしょう。
そうそう買い替えはしないので、インパクトのような遍歴はないかもしれない。

最初のスライドは親方お古の日立C8FS。
狂っていると言って貰ったが、調整したら十分使えた。
今はアルミサイディングなど金属切り用に。

次も親方からジャイアン価格で譲って貰ったC7FSHS。
これは今の良き相棒。
両傾斜でロングスライド。

見た目はだいぶくたびれてきたが、精度はまだある。
でもクセがあるようで、理解していないと短くなりがち。
より良い仕事の為。ぼちぼち次が気になる。

傾斜微調整は欲しい機能だがピンクは嫌!
6型の深さ2段調整がないのはもっとあり得ない。
マキタは型番すら知らない。

少し前に今の愛機の未使用品がヤフオクに出ていた。
4万円そこそこで落札されていたので、少し後悔。

皆さんのスライド遍歴を教えて下さい。