現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

突き付けを突き詰める

さて、一階もうるさい所が終わり、二階は階段ボードと巾木だけに。

後付けになる新建材巾木や廻縁は入隅にしろ出隅にしろ留めの精度は誰しも追求していると思う。
大工が他の現場に入ってする事は、まずその留めを何気にチェックする事。
ガン見するといやらしいから(笑)
ほとんど大壁でクロスに仕事ぶりが隠れる今時の現場でも、仕上げ精度が表面化する部分。
大工として最低限の仕事をしたいはず。

しかし盲点と言うか、意外におろそかになっているのが、縦枠やケーシングとの突き付け。
新築の場合、単純に矩に切ってもそこそこ付くが、あくまでそこそこ。
すく所は必ずある。
より良い仕事をするならそこも構わないといけない。
でもいちいち手間は掛けられない。
そこ自分なりの簡単なやり方を後輩に教えてみた。

例えとして、巾木とする。
使用するスライドの材を当てる正面のガイドと言うかフェンスと同じ長さの巾木キレを用意。
仮にガイドに受け板を取り付けているならその長さ。
自分なら30センチ位。
そのキレは両端矩に切って定規巾木として用意する。

ケーシングや縦枠との当たりをその定規巾木で読む。
もちろんOKならそのまま矩でカット。
当然、突き付けも良好なはず。
しかし少しでも隙間が出るなら、定規巾木と床の間にPPバンドを入れ角度を付け、突き付けを求める。
定規巾木の長さによるが、おそらく新築ならPPバンドの数ではなく入れる場所で突き付けが出ると思う。
バンドの入れる所が切り口から5センチと10センチとでは角度が違う事になる。
かなり隙間があるなら、枚数を増やす。

そしてその場所と数を、そのままスライドのガイドと巾木の間にも同じ様に入れる。
つまり床と定規巾木の矩で無い角度を、スライドとこれから切る巾木に転写する事が出来る。
ただしバンドの入れる向きは常に頭を回さないといけない。
最初は転写するのに難儀するかもしれないが、慣れれば簡単な作業。
逆に言うと慣れるまでやれる気力があるかどうか。

これだと、いちいちスライドのターンテーブルを動かす必要が無い。
巾木をカットし試す必要も無い。
PPバンドが2〜3枚あれば事済む。

今日の現場談義

「絶対にやってはいけない 道具編」
スライドや丸ノコで絶対に込栓を切ってはならない

階段の側板や根太掛けの下がり防止として5分丸で5寸長の込栓を半分に切って打つが、必ず手鋸で。
大方の予想通り、エライ目に。

失敗ネタは尽きないが、他の大工に教えるつもりで何かあればorz