現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

造作出窓

親方物件は洋館が多い。
自宅も洋館。
そしてお決まりの造作出窓。

一昔前には台形出窓などサッシ出窓がよくあったが、今はほとんど見なくなった。
実家にたくさん付いているが断熱性が劣り結露に弱い。
何より見た目が古臭く感じる。
仕事でサッシ出窓を付けたのは思い出せないくらい扱っていない。

親方の造作出窓はサッシ6尺幅ならその外へ尺五寸ずつまで広げる9尺となる。
6尺幅の外尺五寸は通常間柱となるが、それを柱にしている。
その柱に杉板33×303を張り付け側板にし出窓を構成していく。

中の柱2本と間柱3本には鉄骨屋さんに作ってもらったエルアングルを付け荷に対応させる。
今回は屋根と同じS瓦を葺く。

サッシは6尺幅の中にw700×H1300上げ下げサッシ二本付ける。
親方のこだわりでサッシの上と下のサイディングが同じ幅になるように。
また内側もサッシ両端の壁とサッシ真ん中の壁が同じ幅に。
更に出窓カウンターとサッシ窓枠までと出窓天井までの幅が同じになるようにする。

言うのは簡単だが、墨出しはかなり面倒くさい。
一応墨を見てもらうが「間違えるなよ」の一言。

ここからは自分のこだわりでゲンゾウは避け必ず掘り込む。
リフォームで間柱などゲンゾウ納めを目にするが、必ずズレている。
木の動きを甘く見てはいけない。
2分掘るだけでかなりの効果があるはず。
その2分だけでも荷を受けられる。

杉板に必要な所を掘り柱に張り付ける。
造作出窓は造りはそれなりに面倒。
でも嫌いじゃない。

今日の現場談義
「クランプ」
FクランプやL型など言われるクランプ。
ハタやハタガネと呼ぶ方も。
赤い握りのワンタッチクランプ300×80を中心に10個くらい車載している。
滅多に使わないが600と1000も持っている。
長さよりもっと懐が深いのが欲しい。

今回のように側板を柱に止める時などには使うが、他にも可能な限り使う。
正確な位置出しができ微調整も容易。
ビスにより材をブレさす事も無く、寄せさせる必要もない。
ボンド併用なら圧着も可能。
複数の大工と仕事をしていると、そこにクランプすればと多々思う。
クランプ一つで精度は上がるはず。

皆さん、クランプは何を使ってますか?