現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

地元大工の功罪

今は新築だけでなくリフォームも大手資本の会社がたくさんある。
ごく最近、その大手に触れる機会があっていろいろと考えていた。

開けてびっくり的なリフォームは、新築以上に大変である。
知識だけでなく経験がものをいう。
大工の立場なら引き出しの多さも求められる。

自分はかつて監督として務めていた工務店ではリフォームを担当していた。
しかし監督としての立場では出来る事は限られ歯痒い思いを何度もした。
その経験も大工転職へのきっかけの一つ。
そしてリフォームは好きであり得意とする所。

そのリフォームは大手よりリフォーム専門業者より地元大工が安く出来る事は間違いないと思う。
出際の良さ、段取りの良さも決して負けない。
自分もそのつもりで作業している。
提案力など劣る部分も当然ある。
でも、リフォームをするなら地元大工は決して悪い選択ではないと思う。

しかしである。
今、外壁の張替えをやっている御宅は地元大工により何度かの増改築が入っている。
その仕事ぷりが、かなりひどい。

地元大工に一番足りないのは、仕事を総括して管理する事。
その悪影響がモロに出ている。
つまり手抜きでやっつけ仕事のやりたい放題。
同じ大工が玄関の床の増し張りもしてあるがひどい仕上がり。

リフォームは前の大工の仕事に触れられ全てが勉強になる。
残念ながら、今回は肯定的に学ぶべき事は少ない。
前の大工の尻拭いをしながらの施工。
増築部は思うように進まない。

こんな事をしていれば仕事がなくなるのは当然。
リフォームに行ってお客様から前の大工の不満や悪口を聞く事も少なくない。
それなら高くても最低限の管理と保証がある大手を考えるのも仕方がないと思う。

もちろん自分の仕事は完璧とは言えない。
ケチをつけようと思えばいくらでも付けられる。
でも、後ろ指刺されるほどひどい事はしてこなかったつもり。

数ある選択肢の中から、わざわざ地元大工、個人大工に仕事を頼んで頂いたお客様をがっかりさせる事はあってはならない。

今日の現場談義

リフォームは好きですか?
新築ばかりの大工の中にはリフォームを好まない方もいます。
住みながらのリフォームは気を使います。

リフォームは大変です。