現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

あえてしゃしゃり出る

さて、本日建前の応援へ
O君の建前現場へいくつもりだったけど、同日開催のここ物件の経験が浅いベテラン大工さんの建前の方へ回って欲しいとの事でY君を連れてそちらへ
他の応援大工さんもベテランさんで自分が下から2番目
若手組なんて久しぶり(笑)
しかも工期を守らないと噂ののんびり大工さんがお二人も
これはヤバイ匂いが(苦笑)

そこで監督さんの意向と担当棟梁さんの同意を得てあえてしゃしゃり出る事に
他のベテラン大工さんも1時間オーバーのかなり遠方から来られているので、早く帰られせてくれるならお前に任せたと(笑)

まずは流れから変えさせて頂いた
ここはいわゆる在来工法
一番最初は通し柱を立ててから管柱が定石

しかし通し柱後はど真ん中に山となっている梁と胴差しを広げる
長く重いものはその場で
短く軽いものは使う場所近くに撒く
管柱が立っているとそれが邪魔になり思うようには広げられない
そもそも梁山の下にもほぞ穴があり結局全ての柱を立てられない事も多い
時間にして数分だけ管柱入れを遅らせ、胴差しを先に広げる効果は実に高い
ただある程度の場所に撒くのであって、その真下には決してこだわらない

その胴差しが広がり切るちょっと前から管柱に手を付けてもらう
全ての柱が立ったのち、胴差しはレッカーから一番遠い外回りから攻めるが、広げる段階で外回り胴差しは出しやすい配置に

上は4人下は2人の布陣
玉掛けする自分が必ずどこからどこの物か大きな声で
そして足場の上の人に
そこに居て
そこで待ってて
次はあそこいくからあっちに回ってと、一人一人に逐一指示を出す

もちろん柱ホゾ構いはこちらのお仕事
時には建前カケヤでアシスト

四方外回り組み上がる前でも人が集まっている段階で下屋やベランダ周辺は固めてしまう
外から攻めるボルト類は事前に配りその都度止めていく

間仕切りは脚立を使うが、その脚立も繋ぎが来る所にこちらで用意
玉掛けする人間が全てを把握している訳でそれが一番仕事が早く間違いがない

脚立に登った人もそのままでは降ろさせない
例えば横を組んだらそのままの場所で入る縦を持っていく
ただこれも固執しないで臨機応変さは必要

ある程度入った所で、担当棟梁には仮筋を
そして上の2人と自分で続きを組んでいく
もう一人の上と下の人は6尺未満の小梁を手上げで

ここからは長尺組と短尺組の追いかけっこ
今まで短尺はまとめて上げる事もあったが、ある程度その場所に撒いてある状態で上下2人で回った方がはるかに早い
上の人と下の人の移動スピードを考えたら分かるよね

後半の長尺物は最初に置いてある所で吊るのでなく、必要な場所にズルなり持って移動させて入れる真下で吊るように
すればレッカーの移動と上げ下げ時間は短縮
しかも上の人は声掛けだけでなく視覚でも次がどこに来るのか読める
もちろん上に人がいる段階で上げるので化粧梁を避けたり斜めにして上げたりと自由自在
真下から来てそのまま納めるから事故の可能性も減るかと
風の影響も少ないかも

ということで8時のレッカーオンから9時には24坪ほどの一階が組み上がった
そこからボルト組み

羽子板ボルトを入れたらそのまま充電インパクトで締める
この繰り返しで移動距離の短縮とともに締め忘れ防止
そしてインパクト保護にと一石三鳥(笑)

自分は屋起こしを手伝いながら剛床打ちの準備等々雑用
ホースも出せば玉も出す(笑)
ついでに白いのりもって、ここはボンド無しだった(笑)

起きが決まれば剛床打ちスタート
実付きなんでいろいろと大変(笑)
剛床を打ち終わり二階の材料を上げて一服
この時、目標にしていた10時をちょっと過ぎたくらい

二階も一階と基本的は同じ流れ
一つ違うのは矩折りに組めたら直ぐに下に撒いておいた火打ちを入れてしまう
もちろんボルトは決めないけど

すれば振れ止めになり上に乗りやすくなる
もちろん起きも良くなるはず(苦笑)

組むにあたって、とにかく不必要に上の人を動かさない
逐一明確な指示を出すことによってこちらで意図した流れを作っていく
柱やレッカーの紐、ボルトや脚立は下の人間の仕事
上の人に降ろさせてまで決してやらせてはならない

二階が決まれば母屋を
母屋を撒いてから束を立てる
今回は片屋根で一番高い束は7尺オーバー
柱じゃん(笑)

という事で監督さんからお願いされていた昼までに棟が組めた
いろいろな都合で昼休みに上棟式をされるそうで
上棟式に棟が上がってないとさすがにね(笑)

久々に文章だけで長く書いてしまった…
続きの屋根組み&野地編は省略

そうそう昨日のGJQの答えは明日にさせて〜
という事でもう少し本気で考えるように(笑)