現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

見られるからこそ

さて土曜朝
留守にした金曜日施工したであろう玄関に入る上のオーバハング際のサイディング木端が欠けていた
そこそこのサイズ、しかもブラウンの木目調の為かなり目立つ
それに場所が場所だし、自分仕事なら張り替えを頼むレベル

月曜日に来たサイディング屋さんにすぐにでもタッチアップをして欲しいと頼んだ
「監督さんに言われた?」と
「まだ言われてないけど、お客様や監督さんに見られて張り替えしてと言われかねないよ」と
続けて、それに一度でもケチをついた物件はお客様の目がより厳しくなって全ての評価基準厳しくなる
自分の為、他の職人の為にも目立つ所のダメは速攻おさえておいてと

ここまでが同じ下請けである手間請け大工が言える限界かと
それ以上は監督さんの仕事
あまり納得していない感じもあったけど、帰りまでにはタッチアップしてくれてあった

大工の話に戻ると、いくら造作材の留めを綺麗に付けても多くのお客様は気付かない
でもボードを張ると「綺麗に張れましたね」と(笑)
いくらクロスを張るからと言って手を抜いてはいけない
お客様は必ず見ている
ボードも綺麗に張れない大工との烙印を押されたら、他の仕事も疑われる
全てではないにしろ目立つ場所、要所は自分を助ける為にも必ずおさえておかないと

昨日の画像

大壁和室の鴨居上、軽くムクってあるから構わないと
でもボードカンナやヤスリだと皮がベロベロしてイマイチ
そこでまずは裏をガッツリ面取り

そして表はカッターで

これで紙はスッキリと

これくらいなら大丈夫かと
でも最後の最後にプチパンクすると泣きたくなる

そうそう掃除も同じ
現場が汚いと仕事も汚いと思われる
一度疑われれば視線は厳しくなる
逆に信頼して頂ければお互い穏やかになれるはず

この前、電気屋さんがTさんの現場は綺麗過ぎて仕事がしにくいと(笑)
ちゃんと掃除してこないとバレちゃうからと
そう現場を綺麗にしておけば他の職人さんも気を使ってくれるはず
そしてそれは自分を助けてくれるはず