現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

手摺り取り付け

怪我をした母親用ではなく、ある事務所での作業。
材料は元請けさんが事前に用意されており、こちらの手が空くのを待って頂いていた。

鉄骨造で築15年以上の物件。
鉄骨相手と聞いてそれなりの準備をしていたが、取り付けは木下地の間仕切り壁。

使うは35径の丸棒、貫通型ブラケット、エンドキャップ。
手摺り受けとして100×20の集成材。
階段レイアウトは45度の鉄砲、つまりストレート。
登り始め3尺にも水平に手摺りを付ける為、自在エルボ。
ストレート距離が4mを超えるので延長ブラケット。

まずは下地を把握し仮りの墨出し。
本家記事より磁石を使う。
簡単に尺間の胴縁下地と分かる。
その木下地のクロス仕上げ壁の要所にマスキングテープを貼り付ける。

降りる時が怖いとの事で手摺り高さを踏み板鼻先から800ミリに設定。
白糸を張り、お客様に何度か昇り降りをして頂き了承を受ける。

そして実際の墨出し。
手摺り受け板とブラケットの関係を考慮し、手摺り受け板は手摺り高さより50ミリ下げる。
受け板の下端に白墨を打つ。

受け板も4mなので継ぐ事になる。
下地の位置を考慮してジョイントを決める。
階段がキッチリ45度の為、ジョイント部を45度で切ると垂直に継ぐ事になる。
更にそこを留めに切る事でジョイントを目立たなくする。
結果一人での作業を楽になる。

受け材は脳天ビス止め。
ステンの輪っかとキャップで納める。
ブラケットは延長ブラケットを含めて等間隔になるように。
貫通型ブラケットの為、少し面倒臭い。

一番気をつけなけらばならないのは、取り付けビスが折れること。
折れれば同じ所にはもめないし、そもそもビスの数に余裕はない。
化粧ビスは比較的弱い気がする。
センター一発のSで下穴開けし、インパクトではなくドライバドリルで慎重に止める。

カルコ跡にボンドコークを詰め目立たなくする。
最後に手摺り全体を除菌シートで拭いて終了。

さて、実家に手摺りつけないと。