現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

Back to the Future

今日からタイル風呂からシステムバスルームへのリフォーム。
今回は下請けの立場。
元請けはここ数年一番お世話になっているベテラン大工さん。

前回の7DAYSリフォームでも同じ様にお世話になった左官さんと解体。
でもその前にまずは養生。

今回はダイニングキッチンにある勝手口から出入りする。
キッチンはそのまま使いながらのリフォーム。
元請けさんの段取り工程は1週間ちょっと。
それなりの養生が必要。
動線としては勝手口から12尺行って3尺左で脱衣所。
尺モジュールで言うと5マス分。

悩んで決めた養生は、要所にサポートリフターを床から天井に突っ張り、床から5寸、5.5尺に胴縁を流し結束バンドで止める。
そこにプラ板の3×6板をビス止め。
天井からはマスカーを垂らすことでダイニングキッチンから動線を間仕切る。
これでおそらく一週間は大丈夫仕様の養生。

まずは左官さんに壁のタイルをハツってもらう。
自分はサッシと外壁の解体。
腰窓下の下地は水分で痛んでいた。
でも中のタイルの状態はすこぶる良い。
左官さんが潰すのはもったいないと話すほど。
タイルに割れはなく目立った目地割れもない。
下地モルタルも均一で強固。
丁寧な仕事は大工でも分かる。
電動ハンマでタイルは簡単に落ちるが、モルタルはなかなか落ちない。
モルタル下は6ミリラスカット。
たった6ミリでも濡れていないので簡単には外れない。

落ちないモルタルに手を焼き再考。
ラスカットを止めている釘部分だけをハツる事に。
つまり柱と間柱のライン。

天上付近はハンマの重さが負担になる。
アタフタしていると元請けさん登場。

お昼休み直前にお施主様を交えて皆で話を。

左官さんが解体が大変な分、この風呂はしっかりとしている。
ラスカットのジョイント裏にも下地を入れてあって大工さんも丁寧。
そのラスカットジョイント表や入隅にはラス網の前に漆喰で目止めをしてある。
湿気ていないからシロアリ被害がない。
窓下以外は全く痛んでいないなど家を褒める。

実際、タイル目地から水は染み出ておらず、窓下の間柱を除いて土台も柱も間柱も全く痛んでいない。
今まで見たタイル風呂の中で一番良い状態だった。
最終的に分かった事だか、床のタイル下はすべて川砂利でガラは一切なかった。
そしてこの川砂利は左官が引き取る事に。

そこで自分が「家を建てた大工の腕が良かったんでは?」と。
元請けさんとお施主様と自分は目を合わせ微笑む。

実はこの御宅は元請けさんが30年前に建てた物件。
お施主様とは親戚にあたる。
自分は何度か修繕に伺っていて事情は知っていた。
それを知らない左官さんはキョトンとしていたが後で教えてあげた。

玄関から和室の造りも凝っていて見応えのある御宅。
細かい納まりも丁寧さを感じる。
分かる人には分かる仕事っぷり。

左官さんの純粋な感想に終始ご機嫌の元請けさん。
いつか自分も同じ様な気持ちになれたらと、羨ましく思う。

今日の現場談義
「食べ過ぎ飲み過ぎ」

昼はご機嫌の元請けさんとココイチへ。
午前中のハードワークで腹減り。
野菜サラダに手仕込みチキンカツの400g。
しかも1辛。

でもこれが大失敗。
午後からは床のハツリも。
ゲフゲフとカレー風味が戻ってくる。
吐きこそしないが気持ちが悪い。
もう一杯カレーを食べた気分。
しばらくココイチに行く気にならない。
やっぱり昼は軽めにしないとね。

皆さん、食べ過ぎ飲み過ぎで仕事に影響が出た事がありますか?
某ベテラン大工さんは朝一、必ず酒臭いです(笑)