現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

what's your name?

本日は遠方での孫請けリフォーム仕事。

朝、現場に入るとすでにクロス屋さんが。
顔を見て何処かで会ったような気が。
でも思い出せないし確証はない。

挨拶を済まし自分の仕事に。
そう広くないマンション、頻繁に動線がぶつかる。
お互い譲り合いながらの作業。
顔を見る度にどっかで会ったはずと気になっていく。

たまらず二人きりになった時、自分から
「どっかで会ってますね?」
クロス屋さん
「やっぱり!大工さんどっかで見た事でありますよ」
「やっぱそう!」と確認。
でもお互いはっきりとは思い出せない。

動線がぶつかる度に、そのどっかを探す会話を。
10時頃、クロス屋さんからうちの親方の名前が。
「あん時の!」
スッキリしたー!
10年程前、自分達馴染みのクロス屋さんの応援でうちの親方現場に入ってくれたようだった。
ストレス溜まるこの現場で、負の気持ちを癒すかのように会話が弾む。

きっと10年前もたくさん話をしたと思う。
うちの親方の現場は一服が長く、下請けさんも一緒にワイワイやるのが日常。

でも名前は知らない。
思い出せないのではなく、おそらく当時から知らなかったと思う。

下請けさんの親方なら当然名前は覚える。
エロエロ忘年会の顔触れも嫌でも覚える。
でも弟子や従業員、ましてや応援の職人さんになると顔は知っていても名前を知らない方もいる。
現場の愚痴やエロ話をしこたましても名前は知らない職人さん。
だから呼ぶ時は名前ではなく「○○屋さん」と職種で呼ぶことになる。

逆もある。
何年も一緒に仕事をしているのに、自分の事を「大工さん」としか呼ばない方がいる。
俺の名前知らねぇのかな?と。
仕事さえスムーズに運べは問題はない。
でもあんまり気分の良い事ではない。

野丁場のように大人数なら仕方がないが、住宅に関わる職人の数はしれている。
弟子の頃は意識していなかったが、独り立ちしてからは初見の職人さんには必ずこちらから名乗って挨拶する。
そして名前を聞き、○○屋さんとは呼ばず苗字で呼ぶように努めている。
名前で呼ぶ方が、打ち解け易い気がする。
今日のクロス屋さんの名前もしっかりと覚え最後に
「○○さん、またどっかで会いましょう!」と次の現場へ急ぐ。


今日の現場談義
同じ現場で一生懸命頑張っている他の職人さんの名前を知ってますか?
いつもボードを運んでくれるあの人の名前を知ってますか?