現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

ボード張り グダグダと能書き編

二階の入り口枠は一つも入ってないが、取り敢えずボード張りは一段落。
もちろんボード張りは若干残っている。
しかし外壁側は全て張り終わっており、また間仕切り壁も入り口枠絡みを残して張り終わっている。

ウォークインクローゼットの一面は杉板横張り壁。
軒用で相しゃくりの為、在庫の丸頭ステンレススクリュー釘45を脳天打ちをした。
一打残して完全に打ち切らず、木工事最終盤に本締めるつもり。
入隅は縦見切りを入れクロスとの縁切りに対応させた。

普段から入り口枠を入れる前に可能な限りボードは張ってしまう。
以前、新建材で直張りの現場で窓枠が入った時点で可能な限りボードを張ったら最終使用3×6ボード74枚中66枚張る事ができた。

また順序も独特かもしれない。
例えば外壁側の南面なら両端の柱芯から南面だけを入隅と間仕切り一切無視して全面張ってしまう。
もちろん南面側の入隅は事前に入れてあるが東西の入隅と間仕切り間柱はボードの上から入れる。
南が終われば東面へ、そして北面から西面へと外壁側の四面が終わってから間仕切り壁を張る。

これは胴縁施工でも同様。
南面側を胴縁→ボードと施工してから次の面へといく。
そして外壁側が終わってから間仕切り。
時々リフォームで出会う2×8化粧ベニヤ施工に似ている。

先に外壁側を張ってしまう事には多少なり利点があると思っている。

・まずは外壁側と間仕切り壁とが完全に縁切れるので断熱、防音には有利。

・入隅片側ボードは上から押さえがある為、動きを抑えられクロスや塗り壁のクラックに有利。

・サッシ横など狭い幅のボードも柱芯から張るのである程度の大きさになる。
また常に入隅部から張り出す事になる為、入隅部のボード突き付けも良好。
そして常に建具裏や間仕切り壁内が逃げとなり、結果としてボードはかなり張りやすい。
丸ノコでスパッと切ればボードヤスリの出番はそうない。
3×6は縦側は同寸カットで問題が無く、上と下でテーパーに切るのは柱半分程度の小さい物になる。
先行幅木や廻縁の場合、逃げが多い事の恩恵は絶大。

・入り口枠が無いので3×8ボードやそれ以上のボードの施工や移動が楽。
無い枠は傷付かない訳で養生も配慮も必要ない。
今回は杉の建具枠、これもかなりのメリット。
もちろん最終的には完全養生を目指す。

・清掃が楽である。
早い段階でのボードは養生もし易い。

・大量のボードが無いので部屋が広く使える。
実際、現時点で残り10枚無い。
入り口の組付け、道具や在庫置きに困らない。
それは入り口枠施工に集中出来る環境。

・仕事が早いアピール(笑)
ボードを張ると仕事が進んだイメージになるかな?

もちろんデメリットが無い訳ではない。
アレやったりこれやったりはある。
ボードを触ったら最後まで走りたい方には向かない。
でもここ数年外壁側先行ボード張りを実践しているが自分にはあっている施工手順。
仕事の能率も上がっている自覚はある。

しかし全ての場合に可能な訳でない。
条件はある。
・建具がいく壁の垂直が許容範囲内である事。
2mで1.5mmを目安にしている。
でも胴縁施工の場合、垂直は完全に取れるので問題なし。

・造作建具枠の場合ドア枠は戸当り溝からビス止め出来るが、片引き入り口側が外壁側にいく場合や引き違いは脳天止めを避ける為、枠が先となる。

・新建材建具なら必ず脳天止めの為、垂直さえ良ければ問題はない。
規格サイズにより出来る小壁もボードを張ってから設ける。
ケーシングの場合は、ケーシングの返し厚分の板や合板をを壁厚幅にし打ち付けてから枠を付ける。
するとケーシングを入れるピッタリ綺麗な入隅に納まる。

毎回恒例で能書きだけでたくさん書いてしまったので施工の話は次回に。


今日の小ネタ
ボードの場合、スイッチやコンセントBOX位置はどうしてます?
芯だけ書く人、BOXの形状を書く人、ポンチで穴を開ける人、なにもしない人。
大工によって様々。

自分は張る前に30ミリのホールソーでど真ん中抜き。
なんでも確認しないと気が済まない性格の為、視認出来る方法が必須。
間違えればすぐに対応できる。
そんなに手間でもないし、電気屋さんには好評のつもり?