現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

垂木の鼻刈りを語る

さて、昨日と今日と親方建前の応援へ
50近くになろうが弟子は弟子だし、他の大工さんはゆうに還暦過ぎているしで、大変さ(苦笑)
一人若い子が来てくれて助かったけど

垂木の鼻刈り

切り墨に墨を流し打つ

でもそもそもこの切り墨をどう求めるのか?

たとえば、軒先の長さからとか
たとえば、瓦割りでとか
たとえば、軒天面材を6尺三ツ割り使いになる様にとか
いろいろとあると思う

更に芯から流れで幾つとか
桁ヅラから流れで幾つとか
はたまた水平に幾つとかね

しかし、それら決められた寸法の求め方を東西で間違い墨を打ち、違和感から気づいた現場に遭遇したのが二度

墨では気付かずそのまま鼻を刈り、鼻隠しまで打ってしまった現場が二度ある

それら多くは東西で求める大工が違っていたりしてた

これは深刻な失敗であり、進捗に大きな影響が出てその後があまりに大変だし、担当した大工の顔色は灰色(笑)
お互いが微妙に相手のせいにしたがっていたりすると、こちらも困るし(笑)

そうならない為に、切り墨は一人で求めるべきだろうね

ただそれでも間違えは起こり得るし、芯からにしろ桁ヅラからにしても、どうしてもアタフタして測り求めることになる

そうならない為にこんな定規を

桁にドン!と当たれば、鼻先の切り墨さ
その名も「鼻先求太郎」(笑)

今回は2階と下屋で8箇所切り墨を出す必要があったので時短はもちろん、絶対に間違わない安心感は絶大さ

しかし、その切り墨も実は厄介

今回はタツ切りなので尚更に

横から丸ノコで切る場合、肝心要の切り墨が実に見にくくなる時が多い
アンチの高さによっては絶望

見えないからとちょっと走らせてから、わざわざ丸のこ下げて刃の入りを確認とかね

だからたまにこんなの躊躇い傷が(苦笑)

今回の垂木は尺間で、下屋と二階で百本ほど切らないとならない
毎本こんなにアタフタしていたなら、手鋸で切ったほうがマシかも(笑)

ただ現場的に流れ的に確実に一人でやると分かっているなら、ガイド墨もあり

ガイド墨に墨を打ち、そこに文字通りガイドを当てて切ればOK

切り墨をわざわざ回す必要がないし、刃先を見る必要がないし、躊躇う事もないし、なにより切り墨カットより揃うしで言うことなしさ

こんなの動画にしたいけど、カメラマンがいないと無理だよね(苦笑)