現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

刃厚がものをいう チップソー編

さて、床板
使うのはいつもの檜136×15×4000
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それが今回は37坪ほど
6枚入りなので222枚にもなる

すべての床板を両切り口に節がこないよう3640で一旦カット
その上で4グレードに仕分けするので、一日で最低でも444回はカットすることになる
仕込みだけでなく、実際に張る段階になると数日で700カットはしていると思う

その切り口はそのまま突きつけエンドマッチになる為、切れ味を求めてチップソーを選びたいところ
ただこの数になると、長切れor永切れ能力も求めたい

そこで選んでいるのは厚刃
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刃厚は1.8ミリもある
色は好みじゃないけどね(苦笑)

165チップソーの刃厚の平均は1.5か1.6ミリかと
それより薄ければ薄刃、厚ければ厚刃という認識だけども、皆さんもそう?

薄刃の方が切れ味は軽い
いわゆる良く切れる印象をもたらしてくれる

ただ、切れ味がやみ出すと薄いが故にブレが出てくる
特に深切り丸ノコだとその傾向は強くなるかと
当然切り口の綺麗さも落ちる

最初の切れ味との落差が大きく、たくさん切る仕事には向いていない
心理的に切れ味が落ちたと認識している中でのカットは地味にストレス
だからといって、さすがに2、3日でチップソーの寿命を終わらせるのは忍びないよね(苦笑)

そこで厚刃は出番
最初の切れ味は大したことなくても、厚刃だと切れ味の落ちる速度が穏やかな印象
厚い分ブレも少なく、心理的に長切れしてくれる印象をもたらしてくれる

実際、連続300カットもすれば薄刃と厚刃の切れ味の印象は逆転し始める
30軒程、この床板大量カットをして辿り着いた境地
あえて厚刃を選んでこなかった大工さんにも一度は使ってみて、刃厚による性能差を感じて欲しい