現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

土台あれこれ

さて、今日から新しい現場
何気に気合が入る

でも思った通り基礎に水が溜まってる
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早朝に関わらず爆音君で吸い上げること50回ほど
これだけでかなりの重労働(苦笑)

その吸い方にもちょっとしたコツがある
一番低く溜まっている所から吸うのは当然なんだけど、ある程度吸えた時点で立ち上がり際を吸う
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今回のようにノロがかなり酷い時は特に
その後気化しながら全体が乾くにしろ ここが湿っていると乾くまで遅くなるし乾いた感がしないしで

基礎屋さんがトラで出してくれた墨を信じて糸を張る
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L型に組んだ野縁を添え糸が確実に納まるよう角っこをカッターでレの字にカット
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これで軽子の位置に関わらず確実に墨に合う
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建物の全長は剣竿ではなく必ずスケールなりテープなりメジャーなりの一本で求める
剣竿足し算のリスクは知ってますよね?
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テープを思い切りピンと張り一番遠くから手前手前へと墨を出していく

この時、必要性に限らず必ず3尺ピッチの墨をする
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墨は3間5460ミリを限度に可能な限り長く打つ

その理由の一つとして全体の通りを良くするため

もう一つは土台は撒かず 山から拾った土台を現地まで持っていきボルト穴をヒカる
そのまま穴あけまでをし次の土台へを流れにしているので、中間が先に来ることもある
故に3尺ピッチ墨が必要ってこと

墨が出たところで一気にボルト穴を拾う
ボルト芯にゼロ合わせると確実で早いかと
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ボルト穴を拾いつつボルト起きもチビサシで確認
修正は決して叩かずパイプでグイッと!
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レベラー割っても知らないよ(笑)

ボルト穴位置の寸法は土台を乗せた時にも読める位置に記しておく
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これだけでかなりの時短

まずは大矩を求めた側を納め 座金をインパクトにて仮止めしていく
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ここが全ての基点であり要
確実に墨に合わせる

その後も同じように納めて墨に合わせ仮止めの連続で組んでいく
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例えば繋ぎ6尺を納める時、片方をフリーにした方が仕口が確実に納まるとの考えもあるかと
決して否定はしないけど、双方仮止めして納めるメリットもある

双方フリーに納め土台芯が1821になってしまう時、どちらかの墨はずれていることになるよね
特にトイレや脱衣室とか込み入った所の通りはガタガタになりやすいから要注意

しかし双方仮止めして納めるとその1ミリは相殺されほぼ1820に納まる
寸足らずも同様に1〜2ミリなら双方決めておいた方が良い結果につながるかと

全て納めてから座金止めする方もいるかもしれない
しかしちょっとしたズレが修正できず結果として大きな破綻となり絶望的なことになる事もあるかと
実際にアリカマが10ミリも離れているのを見たことがある
こうなると柱の起きをいくら神経質に見ても無意味だよね(苦笑)

つまり常に正解を出しておいて組んでいくってこと
動く余地があるということは逆に言うとズレる余地があるとも言えるかと
どうしても生まれるズレはその都度相殺させ次に繋げないよう手を掛ける

すれば確実に、そして決して破綻しない土台組が行えるかと
もちろんプレカットの精度があってこそなんだけどね(笑)

もっと書きたいことがあったけど、とりあえず剛床も終わり雨養生までとしこたま頑張ってお疲れちゃんなので今日はここまでに(苦笑)