現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

考える人

さて、新築なのにリフォーム物件にはNS君
新築物件にはI君と弟子のSt君に応援に入ってもらっている
さすがに一人じゃ厳しいので(苦笑)

大工道二年目のSt君
やれる事は限られているから多くは求めてはいない
掃除や雑用も立派な仕事だし解体をはじめ、助けられている事も多い
なによりとても真面目に取り組んでくれている
そこは大いに評価したい
仕事人として最も大切なこと

でも仕事への取り組み方には少し苦言を
何事にも考えてから取り組まないと
自分から見ると一番効率の悪いやり方を選択しているとしか思えない事がしばしば
指摘をしてもまた似たようなことを繰り返している

たとえば3×9尺のクローゼット天井の墨打ち
これを各面ごとやっている
つまりスケール出して鉛筆で墨書いて差し金で回す
それを腰袋に仕舞い、今度は墨壺出して墨打って墨壺を仕舞い
次の面でまたスケール出してと・・・
一事が万事、指摘しないと常にこんな感じ

ここは手間請け物件だから速さを求めている部分はあるけどさすがにね(苦笑)
掃除一つでも考えてから取り組む癖を持って欲しい
考え抜いたやり方が必ずしも正解とは限らない
間違いも多々ある
でもその考えるという流れが重要だしその後の自分を助けてくれるはず

誰とは言わないけど、動く前に考える癖のない大工はどんなに手が速くても戻りが多いし納まりに難が出たりする
それに結局は遅かったりする

親方であるI君はしっかりと考えてから取り組むタイプ
自分もそのタイプのつもり(苦笑)
その横でやっている訳だがら考える事の意味と必要性は感じているはず
だからこそもっと成長して欲しい
いや、しないとダメだぞ

そんな話を大工道20年目のNS君にも言っている(苦笑)