現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

下から頑張る

さて、今日は少し前に引き渡しをしたリフォーム物件へ
なにやら増し張りした所の床の不陸を解消したいとの事で
既存の床残しの場合たまに出てしまう不備
横長の家具が判定機
一瞬で分かってしまう

部屋全体のレベルを読むと壁際1箇所だけ極端に下がっている
その落差7ミリほど
他は築年数を考えればそこそこ良い方

もちろん床は張ってあり仕上がっている
さて落差7ミリをどう解消するか?
頭を悩ませる

下がっている所は壁際であり引き違い入り口枠横になる
そこで土台に掛かっているであろう大引ごと上げてしまう事に

まずは敷居を取る
再利用はしないのでごっそり解体
しかし新しく床を張った大工が既存の敷居に溝を突き床を差してあった
敷居を挟んで両側共に
なので解体は慎重にならざるを得なかった

よく見ると溝は6ミリ幅で深さも6ミリ程
その溝に床板を45度にカットして差してあった
どこかで聞いたことのあるやり方だけど(笑)

敷居を落とし巾木を取る
床と壁と化粧柱との接点を無くす
そして床下に回りジャッキでアゲアゲ

しかしうんともすんとも言わない
半分分かってはいたけ今は捨て張りとなっている既存の合板は敷居だけじゃなく柱にも彫って差してあると
諦めて大引周辺の床板を必要最小限剥き邪魔者を取り除く
そして改めて床下でジャッキ
ちなみにジャッキはハイエース付属の車載物(笑)
これくらいなら余裕で使える

チビカケヤで煽りながらジワジワ上がり想定の高さに
これでもかと固める
一つ横の床束も微妙に上がっているのでパッキンで対応
改めて上で高さの確認
水平より不陸が生じてないかが重要

あとは床板と敷居の復旧
床板はアメリカンブラックチェリーだかの乱尺
もともと継手は不揃いなので気にならない
ただお客様が下地の段階で見たいとの事で今日はカットだけして張りは明日へ

これだけの仕事でもいろんな道具を使う
マルチツールにレシプロソー
ファスナービットにバラシバール
もちろん鑿も
傷みまくりだけどね(笑)
スラッシュ鑿も大活躍

この手の仕事は道具がモノを言う
分かったかな?Y君(笑)

そうそう何度も床下に入る場合
しかも土の場合は必ず養生を

これなら2回目からはヤッケ無しでOK
っていうかY君、一度床下に入っただけであとは俺任せかいな
そこは僕が入ります!と言うところでしょ(笑)

そういえばこの断熱材も既存残しの増し張りの所は下から入れたらしい(笑)