現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

技術はないけど

さて、今日は監督さんと細かい納まりの煮詰めを
既設入口枠を残す所が何カ所かある
そこの敷居は大きめな角面でフロア+15ミリ
新たに増し張りする床板も15ミリ厚
そのままでは面がワザしてうまく納まらない
そこで既設敷居を取っ払い床板で段差ゼロのフラットに

床板の縦横の張り分けの機能も担わせるので割り付けはいつもより慎重に

レールが行くところはさらに慎重に

これで完全無欠のバリアフリーに(笑)

監督さんから「素晴らしいよ」と褒められたけど
「道具がいいもんでね」と(苦笑)
入隅君様々でごさいます

一間(ひとま)にしたLDKの床張りが終えたところを見て「コレは?」と
実は対面キッチン下の床板が変な事になっていて
でも自分が説明する前にその意図を分かったようで

実は掃出しサッシから張り終いとなるサニタリー入口までの距離が部屋の両端で9ミリも違う
まぁリフォームにはよくある事
そのまま掃出しサッシ側を親にして張れば当然張り終いの壁ラインと目地の関係はエライ事に
そこで新築でもやるけど、大部屋の中心部に糸を張りそれを親墨とする
そして張り始めと張り終いが許容できる程度揃うように張り始めの墨を決める
しかし今回は落差が9ミリと大きかった為、隠れる対面キッチン下で微調整したという訳

この状況だけ見て事を把握した監督さんはなかなかで
以前、頼んだ大工の目地と壁ラインが酷くて困った経験があったそうで
その大工さんとの比較で「やっぱり技術がありますね」と言われたけど
「いやいや技術なんてありませんよ、最初にど真ん中に墨を打つだけなんで誰でも出来ます」
「差があるとしたら、そうしようとする気持ちですかね」と

まぁ悲しいかな技術は無いけど、いい道具とどうにか綺麗に納めようとする気持ちだけはあるのでなんとか食っていけてるのかなぁと
そんな気がした一日