現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

階段廻り笠木 平留め編

今回の水平45度+45度留めを、自分では平留めと呼んでいる
しかし、きっと大工によって様々な呼び名があると思うが、ここでは平留めとして

塗装板での平留めで一番の懸念は留めの突き付けではない
突き付け自体難しくはない
極端に言うと、突き付け優先で壁出チリが多少違っていても分からない
2ミリ位までなら許容かも
実際、その様な現場はあると思う
しかし、今回の様にコの字型だとその逃げも効かないが…

一番の懸念は「目違い」つまり材同士の段差
腰壁笠木は同時に手摺でもある
1ミリにも満たないわずかな目違いでも、指先で確認出来てしまう
無塗装板ならペーパーなり鉋で目違いを払える
しかし塗装板はそうはいかない
今回は155ミリ幅、対角219ミリすべて目違い無しにするのは簡単じゃない

まずは下地
下地から段差があれば話にならない
必要ならパッキンを使い目違いを無くす
また留め45度も手持ちのスライドに合わせ、後の仕事を少しでも楽にする
下地を留めで構成しないのも一つの対策法(うちの親方)

しかし、いくら下地を上手く作っても不安が拭えない場所
どうしてもボンドを多めに付け気味に、そして目違い(泣)
ボンドにも厚みがある事を意識しないといけない
特にウレタン系は
そこで、現地ではなく事前に目違い無しで組んでしまってから納めるのが今回の目論見

平留めの裏に合板を貼り付けて、事前に目違い無しで組み上げる


画像は取り付け直前の為、柔らかい養生ボード上にあるが、組む時は硬いボード上が最良
要所にボンドをごく薄く付け、9ミリ合板越しにタッカ打ち
フロアタッカが最適だが、手持ちに丁度良い長さがなく、今回は1025ステンタッカで
一晩置いて固まった後、運んで取り付けるが、余程乱暴に扱わない限り大丈夫

もちろん下地は掘る

9ミリ合板+ボンド厚み1ミリを考慮し10ミリ深に
丸ノコが抜けるように留めラインと平行に60ミリ幅
しかし、一本釘〆が甘く丸ノコでチン!と
でも、固まった笠木をここに載せるだけ