現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

床を張る 張る編その二

どこまで書いたかな?
たぶん一通り目まで(笑)

その一通り目さえ間違わなければ後は楽
逆に言うと、一通り目がすべてを決める
1×6の二通り目で幸七使うくらいならやり直した方がよい
そもそも1×6に幸七は必要ない

二通り目のボンドは次張るフロアを一旦、三通り目に置き二通り目の範囲を把握し付ける
はみ出したら最悪
際まで付ける事より、はみ出さない事が重要
ちなみにボンドは一枚単位

長手3間もある広い部屋の場合、張り方は大工によって様々
一列ずつ律儀に張っていく方
階段式に張っていく方

自分は2枚単位の階段式だった
移動を必要最低限にする為と思われる
思われると書いたのは、考え抜いてこうなったのではなく、知らぬ間に(笑)

実を納めるのに「トントン」と呼んでいる当て木を使っている
1.5寸×3寸ほどのタモ材で五徳鉋台形状に加工してある
基本、玄能は使わずこのトントンだけで納める
また、たとえ微力でも実へ直接玄能は使わない
そう高くないフロアの実は決して強くない
潰れた実は悪さをする

おそらく大工の標準技能である長尺&短尺同時実入れをする
まずは短尺側実角を正規の場所から1.5寸ほど離れた所に入れる
次に反対側の長尺実角を入れる

つまり正規の場所から傾いた形でフロアがある状態
ここから短尺実方向に力がいくように長手実を手前から順に納めていく
すると、どちらの実も隙間なく納まる

う〜ん大工なら簡単に分かる事を、あらためて言葉にすると難しい
でも、注意しなければならない事がある
傾きを強くすると短尺側実角へ必要以上の大きな力が加わり、化粧面がペロペロとめくれる事がある
3寸位傾けるとそのリスクは高くなる
逆に1寸未満だと短尺側の実入りが甘くなる
自分はトントンのみで入れるが、当て木に玄能なら1寸未満でも大丈夫かと
この時の玄能の動きは面白い
うちの親方は床すべりの回転式(笑)

それでも10枚に一枚くらい短尺実入りが甘くなる事がある
その時用に7寸ほどの玄能用当て木を常に用意してある
今回は1.5寸角
ちなみに、基本的に玄能を使わないのは、せっかく作ったトントンを傷めない為(笑)
おかげで6年ほど使っている

両実が納まればタッカ打ち
まずジョイント付近に打ち、次に真ん中3尺を打つ
そしてその間をパンパンと
次は6尺を打ち、同じように戻りながらパンパンと
最後に短尺側をパンパンと

この時、必ず体重を載せる
つまり張ったフロアに乗っている
言葉通り、これで圧着ができる

しかし新築では少なくリフォームでは良くあるが、時にフロア中央部が浮き気味に感じる時がある
つまりボンドが効いていない
事前に把握できていれば、発泡ウレタンかボンド厚塗りなどそれなりに対処ができる
しかしタッカ打った後はお手上げ
そこで加工無しで使うフロアを梱包ごとそこに置き荷を掛ける
一束20キロはあると思う
ピンポイントなら、シラをかい荷を集中させる
それでもおさまらないひどい時や実加工無しでの突き付けの場合、天井やマグサからサポートリフターで荷を掛ける
とにかく浮いている?と感じていて何もしないのはNG
何かしら手を打つべし

そのサポートリフターは便利だが注意点がある
わずかな衝撃で荷が解かれ倒れてしまう

使う時は必ず紐を付け、倒れても問題ないようにする
一度、倒れてエライ目にあっている(笑)

タッカを打ってからオマケでトントンでトントンして完了

誰ですか?
この段階ギュウギュウ寄せているのは?
一通り目が酔ってませんか?

また長くなってしまった
張り終いはその三でorz
もしかしたら準備編の再追加かも(笑)