現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

なんちゃって和室

どこかで聞いたような題名ですが(笑)

今回の物件は8畳和室があるが、大壁仕様。
手間を考えるとラッキーな気がするが、少し寂しい。
一言に大壁和室と言っても納まりは様々。
完全洋間の畳敷から長押のある納まりまで。

今回、二つある腰窓には内障子をつけるが、長押は無し。
付け鴨居も、付け柱?も無い。
新建材にも内障子物があるが、サイズ的に問題が。
また強度も考えても回避。
廻縁と畳寄せも新建材物巾木や廻縁をそのまま使う納まりもあるが、やっぱりねぇ。

そこで桧で作る。
それなら真壁でしょう!は禁句
もちろん打ち合わせ時点で元請けさんには言いましたから(笑)

今回はいわゆる加工屋さんに依頼。
廻縁と畳寄せは材木屋さん和室廻縁用の在庫を流用。

加工図を書いて依頼していたが、翌々日朝には現場搬入。
あまりの早さに段取りが狂う。
無垢の長尺加工物はなるべく早く付けるのがセオリー。

窓枠は30厚で縦130×横126の縦勝ち。
アングルピースシャクあり。
廻縁と畳寄せは同寸の30×40でボードシャクリあり。

まずは先日書いた様に壁の不陸解消し胴縁を流す。
畳寄せ裏は3.5寸貫を。
窓枠を納め、廻縁を。
真っ直ぐに入れ胴縁にクランプで仮止めし、ボードしゃくりから天井へビス止め。
大壁和室だが、たとえピンネイルであっても脳天打ちは躊躇する。

畳は2寸厚なので、40背の畳寄せは浮く形になる。
真っ直ぐに入れた胴縁越しに間柱、柱へ水平ビス止め。

今日は本当に暑くて床付近での作業は辛かった。
大量の汗でお漏らししたように。
また内法材を触るので手袋着用。
本格的な和室天井なら避けるべき日だったな。

ここでプチクイズ
今回、廻縁と畳寄せをあえては同寸にした。
畳寄せは2寸の方が納まりが良いはず。

基材が同じ和室廻縁用なのもあるが、もう一つ理由がある。
さてそれはどうしてでしょうか?

ヒントは加工屋さんによる加工だからです。
きっと大工は直ぐに分かると思うので、少しお待ちを。