現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

天井ボード張りを頼む

雨予報で外回りに手を付けられず、後輩には二階の天井下地施工からそのままボードを張ってもらう。
同じ干支の一回り歳下といっても、最近独り立ちした立派な大工。
この後輩とは、師弟関係絡みなど一切ない。
自分が手間請けした物件に、元請けさん経由で後輩親方の代わりにきたのが始まり。
意気投合し、時々応援に入ってもらっている。

作業を指示する時、まずは後輩が考えている施工手順を聞く。
なるべく尊重したいと思っている。
あくまで後輩は応援要員で、自分の弟子でも弟分でもない。
時には自分が学ぶ側になる事もある。

大工二人いれば、施工手順が違うのは当然。
しかしより良い納まりと施工の為に提案といった形で口を出す。
時にダメ出しも。
一応、この現場の作業責任者でもある。

後輩は一部屋ずつカットし張る事を考えていたので、二階全てを一気に切るよう提案。
やはり切る作業と張る作業を明確に分けた方が効率が良い。
天井なら全ての寸法は事前に把握できる。
壁は胴縁施工なので逃げも大きく取れる。

ボードは千鳥に張るが、一枚目通りを墨合わせでやろうとしていたので、その墨に胴縁を打ったらと提案。
胴縁一本で作業効率と正確さが格段に上がる事を知ってもらいたい。

野縁とボード紙巻き側ジョイントには木工ボンドを付けるが、ジョイントからはみ出さない綺麗な付け方をレクチャー。
例えはみ出しても、ウエットティシュ常備しボード面を汚さない気配りを。

常に学ぼうとする姿勢があるので、提案しがいがある。
年の差も言いやすさに繋がっている。
年上のベテラン大工さんには言えない事も率直に言える。
これから始まる、時に病的すらある施工内容を唯一実践しようとしてくれる貴重な存在。

当初、この物件は一人で最後までやるつもりだった。
しかし次の予定が早まり工期が一気に無くなった。
理解ある若い相棒と最後まで突っ走るかな。