現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

梅雨入り

「本日、東海地方が梅雨入りしました」
と帰路中にラジオから。
平年より11日早いらしく嬉しくない情報。

平年並みなら6/1の上棟後、1週間の猶予があるはずだった。
そしてその一週間は貴重な時間のはずだった。
今回は一階も二階も剛床仕様。
一階は雨を考慮し、実無し構造用合板にして後張りの可能性を残しておいたが、どうやらそうなりそう。

今日は昨日終わるはずだった土台据え付け。
大引を含めてオール檜のKD材
時に大引の3寸角はかなり質が悪いやつがあるが、今回はかなり良。

剛床の為、アンカーボルトの座金はカナイのハイブリッド2。
前回、この座金の座堀り性能を信頼し痛い目にあった。
剛床に慣れた後輩に聞くと、21ミリ錐と47ミリ座堀りのセット品で下からではなく上から開けるとの事。
とりあえずその錐と座堀セットは通販で注文したが予定変更で土台据え付けが早まった為、無念にも間に合わず(笑)
でもたとえ余裕がある21ミリでも、アンカーボルト穴を上から開ける事には多少なり抵抗があった。

ボルトは鉄管で垂直というか、サシガネで基礎と矩に修正してある。
でも、ドリルスタンドを使う訳では無いので穿孔は常に垂直とは限らない。
大工の道に入りたての頃はドリル穴角度があっちゃこっちゃでよく親方に怒られた。
いつからかそれなりの精度の穴が開けられるように。
それでもやはり上からでは不安が残る。

今回は18ミリ錐で下から開け、上からウイングのパイプ付き座堀錐45ミリで座金厚分だけ座堀る。
土台を納めボルト締め。
前回よりはかなり楽に。
でもジャスト45ミリ座堀りはシビア過ぎ。
ハイブリッド座金の入り易さと土台の通り修正も考慮し、逃げありの50〜55程度が良いかも。
この土台納まりに関しては、もう少し経験が必要。

基礎パッキンは調整板を使い、より精度の高い水平を求める。
鋼製束はjotoのYR束で下端プレートの穴が小さいので、打ち込みアンカー645ではなくコンビス535を対角2本止めで、束ボンド併用。

大引の高さを決め、3寸角の3尺板場を入れていく。
しかしこの板場のアール底仕口の深さが合わない。
高かったり低かったりで、掘ったりパッキン入れたりで進まない。
ちなみに以前はPPバンドをパッキンにしていたが、耐久性を求めてアスファルトルーフィングに。

この作業を怠ると後の自分が困る事に。
たまに苛立つ頭を冷やすかのように霧雨が落ちてくる。

すべての作業が終わったのは4時過ぎ。
たとえ昨日朝から土台があっても一日で終わるのは無理だった。

明日は大安吉日、そして雨。
それでも朝から柱を一本建てないと。

今日の現場談義
「基礎パッキン」
基礎パッキンが何年持つか?
なんて質問はヤボなんで単純に施工の話を。

基礎パッキンを基礎天に並べてから土台を据えるタイプと
基礎パッキンを土台に貼り付けてから据えるタイプとあると思う。

皆さんはどちらですか?
ちなみ自分は前者。

そしてその基礎パッキンを欠かないといけない場合がある。
アンカーボルトやホールダウンボルトを避ける為。
8分鑿で構うと、いとも簡単に割れる。
3分鑿でちびちび構う方が割れは避けられる。
他に廻し挽きで構ったり、錐を揉んだりと方法はたくさんあると思う。
中には割れても知らんぷりさんも(笑)

最近はフォスナービット20で欠いたりしていたが、芯にパッキンがこないとブレブレ。
結局、割れてしまう。
そこで今回は親方現場で出た、外部胴縁20の木っ端を持ち込んだ。
木っ端をはしごの中にジャストインさせてからフォスナービット20で穿孔。
思惑通り上手くいった。
でも、作業性を考えるとやっぱり廻し挽きかな?

皆さんはどうしてますか?