現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

土居熨斗雨押え

今日から親方新築現場に復帰。
手間請けに染まった自分からすると、かなりのんびりした進捗状況。

復帰最初の仕事は土居熨斗雨押えから。
仮筋に使った120×30×4000の杉を使う。
しかしこの仮筋は100の丸釘で止めていた為、釘抜き跡と割れで損傷が激しい。
その跡を見るだけで抜いた人間の苛立ちが伝わる。
下屋は三方グルっと回っている。
そして造作出窓2箇所分含めて8本でまかなえるはずだったが、苛立ちの跡のおかげでもう一本追加。

壁際に当たる部分は屋根4.5寸勾配プラスで取る。
出隅を除いて平は事前に下でカットし、ビスを揉む柱と間柱部分は下穴を開けて座堀りもしておく。
下穴開けには激安購入した5ミリテーパーハイス錐で。
一旦垂直に6ミリ程開け、それをきっかけに斜めに揉む。
一度に斜めに揉むと錐が折れやすいし重要な角度が安定しない。
貧乏系の一手間。

90の枠ビスみたいなヤツで止めるが、なかなか気を使う。
ビス揉みによって漆喰で止められている土居熨斗を動かしてならない。
かといって、雨押えと土居熨斗の間が空いてしまえば、板金サイズが変わってしまう。
板金で包む為、ビスは完全に潜っていなければならない。
何箇所かはビスの出し入れをし調整。

平と流れの出隅は瓦と違いどうしても目違いが出てしまう。
また棟も然り。
裏をプレナーと鑿でかまいその目違いをなるべく無くすように。

最後に瀕死のコーキングでビス頭を埋めて終了。
透湿防水シートは事前に捲り上げ、施工後に戻す。

その後、外部胴縁の墨出しを。
でも胴縁は未入荷で墨出しのみ。

その後も書きたいがあまりにお粗末なので割愛。
胴縁に限らずあらゆる物が未入荷でほとんど手が止まる寸前。
ずっと入っているベテラン大工2名はすでに諦めムード。
自分もGW明けには再び自分の仕事に戻る為、発言権は抑え気味にならざる得ない。

どんなに頑張りたくても材料がなければ仕事にならない。
やれる事を探してでは仕事に流れが出ない。
作業効率は著しく落ちる。
さてどうしたものか。