現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

毛引きを使う

本日はのっけから今日の現場談議を
テーマは「毛引き」
自分の周りの方はあまり使わない。
常に仕事を一緒にしてきた先輩もほとんど使わなかった。

でも自分は頻繁に使う。
いわゆる鎌毛引きは刻みの時に使うが、同じ様に掘る時の高さや深さは必ず毛引きで筋をつける。
1×6フロアを壁内に入れる時の間柱、柱の奥行きにも毛引きし墨付けと共にフロア飛び回避をねらう。

筋毛引きは建具枠の袖壁や方立ての下地に使い通りを見たり、枠と壁の関係墨に使ったり。
当然、同寸をたくさん墨付けする時にも使う。

先の親方新築現場では垂木は立つ切り、でも鼻隠しの頭は矩のまま。
なので垂木天と鼻隠しの前で勾配なりに合わせる為、鼻隠しの裏は垂木より少し下がってつけないといけない。
諸先輩方は一本一本玄能を垂木天に当て鼻隠しの位置を出しつつ止めていたが、こちらは筋毛引きでちょいちょいと。
失礼だが、正確さとスピードは比べようもなかった。

頂いた毛引きは鎌、筋ともかなりの数ある。
そこそこ良い値段した黒檀張りの二丁鎌毛引きを持っているが、一番良く使うのはホールセンターで買ったプラの鎌毛引き。
見た目は悪いがリフォーム現場や足場の上でも惜しげもなく使え、ビスだらけの腰袋に突っ込める。
でも45ミリ程度までしか使えないので、もう少し長いのが欲しい。

筋毛引きの一つは刃を抜いてボールペンのインキだけを刺しているが改良の余地あり。

あるベテラン大工さんはボードや化粧ベニヤも鎌毛引きでカットするそうで。
毛引きの用途はまだまだありそう。

毛引き、使ってますか?