現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

階段を考える 待ったなし編

先日sugattiさんからひな壇にしてみては?と貴重なアイデアを頂き現場で考えてみた。

ひな壇の基材はストレート部分は最低8寸できれば尺、廻りは2段分使いとして尺あれば事足りる。
つまり尺幅板を使う。
ストレート部分は側板と同じ様に勾配に、廻り部分は水平に使う事で対応できる。
しかし懸念もある。
蹴込から先の段板がどうしてもハネ出しになってしまう。
押さえ材も柱面内に欲しい。
また廻り3段の中段下地が間柱まで届かない。
つまり下地もハネ出しになる。
対応としてどうしても柱面内に下地を入れる必要がある。
当然、柱と間柱を欠く事になる。

それと蹴込板との絡みに無理が生じる。
ひな壇の基材を8分厚とした場合、最低半分の4分は溝をつかないといけない。
強度にも不安が出る。
またひな壇用の尺幅板自体の狂いが出る可能性も十分にある。

更に階段下は収納庫になる為、複雑な下地構成は影響が出る。
14段中9段が廻りになるレイアウトも考慮して、sugattiさんには申し訳ないが今回はひな壇での施工を断念。

今更の話だが、階段室だけも胴縁施工とすればスムーズに側板無し階段に出来たと思う。
例えば側板厚が30ミリなら柱面に当たる裏を15ミリすいて奥に入れる。
むろん間柱側も15ミリ取る。
そして側板が胴縁面と同面の柱面プラス15ミリにし、そこを下地にボードを張れば無理なく施工可能だったと思う。
実際は側板有りだが、見た目には側板無し仕様として。
いろいろと考えていたつもりだが、熟慮が足りなかったと反省する。

やはり受材、押さえ材を地道に掘り込んでいくしかないかも。
もちろん柱の欠損は最低限に。
そして、段板にはアゴ掛けを突く。
これでいくかな?

今日の現場談義+クイズ。
テーマは「これはダメだろ!リフォーム編」
とても自分の仕事が最良とは言いませんが、これはダメだろってリフォームありません?

この前、初めて伺った御宅でびっくり!
玄関ホールの床板が増し張りしてあったのですが、框がなんと!

さて、有り得ない框とはどんな框でしょうか?

ちなみ通常の建築建材の流用です。

その他、いろいろと突っ込みたくなる玄関を見ましたが、上記物件が最悪でしたね。
皆さんの現場で思わず突っ込んだ物件があれば教えて下さい。