現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

窓枠の話

土曜の今日はなかなかベッドからでられなかった。
連日の床張り、そのダメージがきてる。

外は雨、床張りは辞めて昨日積んだ窓枠をやろうと決め家を出る。
本来は間柱であっただろう杉の105×30×3030を加工し窓枠とした。
使わずに残してあった物、乾燥も十分でかなり綺麗な目。
もちろん赤の無節、しかもタダ。
文句一つない。

仕上がりは102×27ミリ。
アングルピース欠きもしてある。
仕上げはもちろんマイスーパーツールであるベテラン大工さん。
毎日の、のどごし生は決して忘れない律儀な方。

今回は大留め組み。
スライド丸ノコの刃を変えて望む。
意味があるかわからないが、欅は欅、杉は杉と刃を変えてみる。
ずっと日立のグリーンだったが、ここ数年は地元チップソー屋さんのオリジナル。
コストパフォーマンスを考えると納得している。

まずは日立C7FSH2の矩と45度の確認。
前々日にも調整確認しているが、刃を変えた為に再度の確認。
間柱のキレを留めに切り、5寸の箱を作る。
もちろん問題なし。
古いがロングスライドの良き相棒。

窓枠は間違えた時用も用意してあるが、それぞれ木目や根を見て配分してある為、間違えたくない。
今回は腰窓以下の小さい窓枠のみ。
長尺はまだ仕上がっていない。

外側の面取りが大きく不揃いなのが気になる。
改めて面取り鉋で仕上げるがタコ糸目に。
絹糸目くらい細いのが好み。
内側3分銀杏面に。
お客様の好み。

サッシ枠はアングルピースの内側でキリの良い数字になっている。
アングルピース欠きしてあるのでその寸法で切る事になる。

切り口を決め、3ミリ程毛引いてから刃を下ろし押し切る。
柔らかい杉材、毛引き作業は必要と思う。
上下、左右の長さをチェックし必要なら微調整。
今ある全ての窓枠の留めカットが終われば、窓枠組みへ。

小さい窓のみ、山積みのボードが作業台。
切り口に木工ボンドちょい付けし留めを合わせる。
フィニッシュ50で仮止め。
テーパー錐で下穴を開け、ダンドリの逆枠GNビス65を一方に2本。
チビチビ止めて留めの付きを確認しながら作業。
今回はとりあえず無塗装。
目違いは出したくない。
タモ材より慎重に行う。

四方組み上がればサッシへ。
アングルピースの入り口は面取りして入りやすくしてある。
組んではサッシへの連続。

全てが終ればアングルピースへのビス止め。
最近、多方面で人気のセンター一発の出番。
止めるのはドリルドライバ。

アングルピースビスが止まれば枠金物。
今回は在庫のサンテックとワカイが半々。
まずはサンテックから使う。
腰窓の横6尺のところは30ミリ離れの墨を打つ。
それ以外の短い所は、通りの良い間柱で真っ直ぐを見る。
6尺横の鴨居は多少むくらせる、墨の方が都合がいい。

今回の窓枠は27ミリ厚。
左右の窓下地はそれを考慮して入れてある。
それでも下地と枠の間は平均して5ミリ程度。
ほとんどないところもある。
これでは枠金物のビス止め部分が入らない。
極最近、裏に使うというまさに裏技を仕入れたが、今回はボード直張り。
次回のお楽しみにする。
そこで3分ノミでトントントンと払う。
そこに枠金物のビス止め部分を入れる。
隙間が3ミリもなければ金物でなくパッキンで対応する。

枠金物が入れば融通穴に釘打ちし斜めビス止め。
センター一発での下穴開けは欠かさない。
通りを合わせ決め穴に釘打ち。
ここで一工夫。
決め穴と釘径は多少余裕がある。
つまり遊びがある。
その為、たとえ2本打っても動く可能性はある。
もちろん1ミリ程度の話。
でもパッキン施工なら動かない。
そこでなるべく動きを抑制する為、二つの決め穴のキワに釘打ちする。
でもそのまま打つと、プレートに干渉して打ってる先から動いてしまう。
通りを見た意味がなくなる。

なので縦枠の場合、一つ目を決め穴の右キワに3ミリ程度打ち込んだら、二つ目は左キワに3ミリ程度打ち込む。
そしてそこから二本同時に打ち込む。
サンテックやワカイなど小さいタイプなら二本同時打ちは可能。
これで遊びがなく枠金物が取り付けられる。

今回は集成材レス、合板レスが目標。
パッキンも無垢でスライドで作る。
隙間に入れクランプで止めてビス止め。
柔らかい杉材、クランプにも当て木を。
間柱なら真横から、柱なら座ぼり錐揉みしてから斜め打ち。
ビス長さは細心の注意を。

取り合えず、持ってきた窓枠が納まる。
無塗装の為、安易な養生は別の悲劇を生む。
必要に応じて養生をする事に。

時間がある。
でも床は張りたくない病が発症中。
玄関框の付け框を。
またクソ寒い日に玄関土間で仕事。
勝手に欅用としたスライドの刃を付け変える。