現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

上り框と笠木

朝一お世話になっているベテラン大工さんの作業場へ。
本当は仕事上がりによって打ち合わせをしたいが、5時には一杯やりたい方。
ほろ酔いの方との打ち合わせほど怖いものはなし。
この時間がお決まりに。
ちなみに7時ちょい過ぎ。
霜柱が立っている寒い日。
ちと辛い。

頼んであった欅の上り框と笠木は綺麗に仕上がっている。
さすが年の功!頼りになります。
いや、頼り切ってます。
上り框と笠木は溝突き機により裏に21ミリ溝を突き、窓枠のアングルピース欠きをセットして後はお願いする。
本当に助かってます。

階段周辺のおさらい。
階段室は二階から見ると一坪の正方形。
真ん中にはFL+4尺ほど柱が立っている在来工法ではおなじみの光景。

でも今回の笠木と腰壁はアルミとアクリルパネル。
玄関と階段の絡みがある事情から変更になった為、明るさを求めての変更。
意匠的に合うか不安ではあるが、お客様の希望。
綺麗に納めるのがプロ。
下手な納まりは許されるない。

変更により木下地の腰壁は要らない。
でも笠木は必要。
つまり笠木はFLレベルになる。
そしてその上にアルミ柱が立ちアクリルの腰壁がくる。
当然、笠木は上り框と絡む。

納まりは悩んだが、結果として中心の柱に付ける登りの笠木から水平の笠木、そして上り框を同寸で留めに廻る事にした。
材は元欅の柱。
4.8寸の角柱が二本あったのでそれを再利用。
結果として39×142ミリに。
厚さが39ミリなのは床の下張りが21ミリ床板が15ミリで37ミリ仕上がり。
框勝ち2ミリを足しての39ミリである。

まずは中心の柱を梁天で切る。
二回に分けて切り、正確さと安全性を確保する。
そして上り框、水平笠木と登り笠木が当たる部分の梁天と柱に小穴カッタで21ミリ溝を突く。
なかなかアクロバットな体勢。

下地、造作材の溝はそれぞれ4.5ミリの深さで21×8ミリを背骨にする事で関係を正確にし動きを抑制する。
背骨を仮入れし上り框と水平笠木の水平留めを作っていく。
この背骨の存在でヒカる時の確実性は飛躍的に上がる。

階段はまだなので、水平笠木と登り笠木の留めは後日。
上り框だけ止める。
もちろん背骨のおかげで正確に位置決めできる。
上り框には床板用のしゃくりもしてあるので、最後の床板と同時に入れ込む。

上り框の一方は壁内に隠れるので、脳天からビス止め。
もう一方の留め側は木口から上から止める。
真ん中は下から斜め打ち。

ここで便利グッズの出番。
天井からのバリにカインズホームで売っている、おそらく天井用の突っ張り棒が役に立つ。
プッシュポールみたいに天井高より高くしては使えないので天井用としてはダメダメで使い物なにらない。
でもバリとしてはなかなか優秀。
価格も1480円。
長さも二種類ある。
気付けば長短5.6個持っている。
建具の枠押さえから今回の用なバリなどこれからもこの現場で活躍すると思う。
青いポールの奴です。

午前中には二階の作業は終わり完全なる養生を(笑)
引っ越しして一階の床張りを始める。

そして明日はアパートの床張り。
杉の匂いにも飽きてきた。
気分転換になるかな?