現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

床養生

今日の一句!
ひたすらに 床を張り張り ひたすらに

昨日の試行錯誤の成果でテンポは良い。
オーバーペースにならないよう確認作業を昨日より大袈裟に。
昨日と違うのは縦横張替え所がある。
スライド丸ノコのお陰でオス実は超簡単に作れる。

でも常にメス実に刺す様に考えないといけない。
オス実は簡単に作れるが、メス実はそうはいかない。
事前の流れと張替えの向きの思案は念入りに。
今回は無垢だが、たとえ1×6でも突き付けだけでは不安な心配症。
オス実加工は日常業務。

三部屋ある二階のうち二部屋とウォークインクローゼットを張ったら床養生をし加工部屋の移動。
元監督、養生にはうるさい方だと思う。
傷の補修は大変だし補修屋を呼べば一発で数万円が飛ぶ。
またうまく補修してもお客様にとってはマイナス要素。
あえてコストと手間を掛け対応すべきであり、巡り巡っては自分達の為。

まずは張り終わったら床の傷やボンド残りを徹底チェック。
もし補修が必要ならこの段階で出来る限りの事をする。
今回は一箇所、ボンドが点についていた。
ノミを使って綺麗にする。

フロアに問題が無ければ養生スタート。
まずは床用養生テープを壁の仕上がりから1センチ程度の所でぐるっと貼る。
今回は柱面から幅木は20ミリ程出る。
その為30×40の野縁を柱面に置いてそれを定規に養生テープを張っていく。
この時、入口枠や掃き出しの窓枠などを必ず考慮し貼っていく。
つまり部屋のすべての仕上がりから内に1センチ開けた所で養生テープが貼られる事になる。
逆に見ると養生テープを見れば仕上がりが分かる状態。

その養生テープを基準に紙製の1m幅の養生シートを広げていく。
養生テープより2センチ程内側を目安に。
その養生シートと先に貼った養生テープを布テープで貼っていく。
結果として壁の仕上がりから1センチ内側は養生シートで覆われる事になる。

続いて養生ボード。
ここ数年使っているのはダイケンの吸ホル養生ボード6×1820×910。
前回の住宅で使った物の再利用。
ボードの張り方にも一工夫。
でもこのボードは材質の性格上、ベニヤみたいに重ねられない。
そこでボードは2尺で切った2×3尺これをたくさん使う。
例えば6畳なら3×6尺を3枚、2×3尺を5枚、2×2尺を1枚で構成する。
つまり12尺×9尺の部屋は11尺×8尺と1尺まわり小さくボードを敷く。
これは8畳でも10畳でも同じ事。
3尺モジュールなら2×3尺の存在で簡単に対応できる。
最後だけは2×2尺になるが3尺ローカも2×3尺で構成するので、その切れ端の2×1尺は入口枠下に綺麗に入る。
やってみるとわかるが、ボードの端やキレがほとんどでなくまた効率良く養生できる。

結果として柱芯から5寸内側はボードに覆われる。
この5寸逃げにより入口枠は干渉しない。
布テープは先にボードの6ミリ厚の木口に貼りその後養生シートとボード天端に貼っていく。
もちろんジョイントも。

おさらすると壁の仕上がりから内側1センチは養生シートで、柱芯から内側5寸は養生ボードで覆われている状態になる。
またすべては布テープで塞がれている。

気になるのは柱面からボードまでの部分。
3.5寸柱なら10センチ程度になる。
ここは1×6フロアの梱包ダンボールで埋めていく。
しかし当然、邪魔になる。
あくまでも仮置きであり作業によって取り外したり戻したりする。
そしてこの部分は常に清掃を心掛ける。

でも今回の住宅はオール無垢材、また床板はバンド梱包。
その1×6ダンボールだけではなくダンボール自体がほとんど出ていない。
事前にどこかの現場から拝借。

キッチンや洗面化粧台など分かっている部分もあらかじめ除けて養生し、重ねて養生しキッチン施工時に迅速に対応できるようにする。

枠を入れる時、幅木をつける時、キッチンを施工する時など、いちいち邪魔になる部分の養生を無理に剥いている人を見るとがっかりする。
そしてそういう方は剥がした養生をしっかり直す事はない。

最初からしっかりとした養生をしておけば後は楽々。
そしてその養生は誰の為でもなく自分の為でありもちろんお客様の為。

綺麗に養生を!