現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

玄関框

寒い!寒い!寒い!
雪こそチラつかなかったが寒かったー。
そんな中、コンクリート土間と隙間風スースーの玄関で仕事。
なぜ?って
電気屋さんが来ないから!
電気配線が終わらないと天井も張れないし壁の断熱材も入れられない。
完全に手が止まる寸前。
柔らかい杉の床板を張ったあとに天井張りは勘弁。
事情は重々承知してますが、さすがに語気の荒い催促を!
明日から来る予定に。
本当かよ!
板金屋さんは役物を日曜日に頑張ってくれ、とりあえずの完了。

窓枠か框のどちらかを考えていたが、框を選択。
天井張りに窓枠の存在は邪魔過ぎます。

その窓枠から入口枠の加工を頼んでいるベテラン大工さんに週末に框もお願いしてある。
框は杉ではなく欅である。
贅沢な欅を使えるのは元請けさんが総欅の和室の住宅を解体した時に取ってあった柱がたくさんあるから。
柱は4.5寸。
もちろん鴨居敷居、廻縁に手が入っているので、使える長さと面は限られる。
でも今回はコンパクトな玄関。
框6尺の内々で一本。
付け框も4尺で二本あれば事足りる。
5尺8寸での鴨居跡もうまく避けられる。
でもヒビや背割れは開き気味。
どれを使うか6本ほど二面矩を出して吟味。
臭いが綺麗な框が作れました。
もちろん仕上げは…。
ベテラン大工さんがご丁寧にorz

框は120×90に付框は120×30に。
框としては少し小さいがタタキ天とFLの段差は170ミリ程度。
コンパクトな玄関にはちょうどいい。

玄関の納まりをおさらいすると
土台105角
下張り床板21ミリ
仕上げ床板18ミリ
土台据え付け時に框裏になる土台側面天端から30ミリ下がりの所に小穴カッタにて21ミリ幅で11ミリ深さの溝を掘ってある。
框裏にも適切な高さに同様の溝を突き、そこにタモの21ミリ角を入れてお互いの関係を良くし下がりと動きを防ぐ。
もちろん両端の土台にはアゴを掘ってある。

框裏にはもう一つ溝が掘ってある。
それは仕上げの床板を差し込む部分。
框勝ちになるよう框天から20ミリが仕上げの床板の下端ライン。
そこから9ミリ幅で上に溝突き。
その溝に仕上げの床板をシャクって差し込む。
つまり浮き上がり防止。
短辺の差し込みは日立のスライド丸のこの溝入れ深さ2段切替でちょいちょいと加工できる。

これは親方元からずっとやっている。
親方元では下張りベース12+仕上げ床板15が多かったので、ベース下端から21ミリ溝突きし、ベースの12と仕上げ床板シャクリの9ミリを差し込む事が多かった。
でも今回下張りが21ミリ。溝突きし絡めようと考えたが、暴れと痩せを考慮し回避した。

框の取り付け前に、付け框のあたりを掘っておく。
框の面取りサイズのおよそ4.5ミリを掘る。
しかし面取り部分は留めにしないといけない。
框の厚みからスライドは使えないので、毛引いてから手鋸で留めに切る。
鑿で整え、残りは小穴カッタでズバッと掘る。
そして框正面からビス止める為の座掘り下穴を開ける。

すべての関係を確認にし取り付ける。
以前は床職人をベタベタに使っていたが今回は健康住宅仕様。
なるべく化学系ボンドは使わない方向で考えている。
土台と框をクランプで挟み、付け框あたりの下穴から125ミリスッポンビスで止める。
中央部は土台から斜めにビス打ち

いくらクランプで止めてもビスを斜めに打つとほんの少しだが材が動く事がある。
しかし21ミリ角の存在でブレは無し!

そのまま付け框といきたいが無垢である。
何かしら動く可能性は否定できない。
もちろん動かない確信はあるが、付け框はしばらくしてから取り付けるつもり。
本音は寒くて足先が痛くてね。

框にはブルーの養生マットを巻き、仕上げ床板がいく所に21ミリの床板を仮止めし角と溝が傷まないように。
さらにその上から12ミリコンパネのキレで作ったL字の養生板を被せ、框がスッポリ隠れるように養生。
これで安心。

でも天井も張っていないのに框なんて!
段取りも○もない!(ブログの品位保持の為、自主規制)
しかもこんな寒い日にする仕事じゃないと足先から思う。
明日、電気屋さんが来たらチクチク嫌味を言ってやろう(笑)

小ネタ
今夜はこれから美人の奥様と外食。
でも絶対に蕎麦が食べたいと。
蕎麦は自分の大好物。
毎日でも大丈夫。
でも冷が好き、暖かい蕎麦は嫌いじゃないけど魅力は半減以下。
こんな寒く日、暖かい物を食べたい。
どうせなら行きつけの超ホットな担々麺を食べたい!

でも結局、蕎麦屋に行くんだろうなぁ。