現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

追われる立場から追う立場へ その一

さて、このところ1日に何坪床張ったとかボード何枚張ったとかの話が多くなっているかと
もちろん手間請けの立場なら当然ではあるけど自分なりの理由もある

ここの会社の物件をやるようになって4年弱
結構な数の物件を納めてきた
でも当初は本当に稼げなかった
それまで会社物件の手間請けを一切した事がなかったのである意味当然(苦笑)
世の中そんなに甘くねぇ〜

それでも仕上げにはそれなりに自信はあったしそれなりは納めてきたつもり
これは決して手を抜くなと言われて育てて頂いた親方のおかげ
感謝しております

しかし本当に人工が掛かっていた
そう手間を掛ける事が絶対正義だと思っていた(苦笑)
当然、頂いた手間代を実働日数で割ると1人工割れ
しかも応援さんには満足に払う訳で手取りは更に安くなる
経費なんてものは考えてなかったし(笑)
誰の為に働いているの?と嫁さんにも言われた(苦笑)

これじゃいかんとやり方を変えようと模索
手間請け大工さんらしいやり方を真似たりしもしたけど心がザワザワ
それまでのやり方を変えるには手法の前にまず心を変えないとならないと学ぶ
それでも手を抜くくらいなら稼げない方がいいとも思っていた
手を変えられなら時間で押すしかないと残業も当たり前に

そのうち工期もはっきり決められるようになり更に時間にもお金にも追われているストレス
仕事が面白くなっていた時期かも
実際悪夢も見たし(笑)

でも天才肌のJ君から手間請けなら数字を追わないとと聞かされた
彼は厳しいところをくぐり抜けてきた強者
憧れのスローハンド系大工
彼の言葉には説得力があった

つまり手間代の総額から必要経費を引く
もちろん使うであろう金物代も引く
その額を1人工で割るとこの物件に対して使える人工になる
つまり実働日数を決める
でもこれが最低ライン
実際1人工じゃダメ
それならどこか応援にでも行ってる方がいい
そこから1割でも2割でも上げてこその手間請けですよと

確かに…

それを聞いてからは必ず実働日数を数えるようになったし経費もシビアに出すようになった
試行錯誤しながらやり方も模索
それでもなかなか1人工に到達するのが精一杯

仕上げは言うまでもないけどやっぱり下地でもそうそう手は抜けない
育ってきた得たものは簡単には変えられない

まさにジレンマ

長くなったので明日に続く

今日の一曲