現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

叩き付ける

さて、昨日の見切りの裏側を

背骨の溝とボンド溝
背骨は雑巾ズリとして大量に入れてある12×9の檜材

幅はガチガチキツキツで一度入れたら出てこない固さに
当然一発勝負になる
けれども深さは1ミリほど深く突いてある

まずは背骨を土台に打つ

基本フィニッシュで要所を細ビスで
肝心なのは背骨のボンドが乾く前に見切りを付けること
ガチガチキツキツの場合、背骨と見切りのソリが合わないと入らない
最悪削りながら入ってしまうと厄介
当然、突き付けきらない
見切りのソリに背骨を従わせる必要がある


入ってしまえばこっちのもん
逆に言うと途中でもやり直しは一切効かない
それほど固くしてある

バリを飼い押し付ける

ここでもう一手間、重要な事がある

それは当て木をして細かく叩き付けること
心理的に木工ボンドは必要最低限よりはちょっと多めにつけてしまう
木工ボンドとはいえ、その存在は厚みになるし逃げ場へ向かわせないとならない
背骨無しでの仮付けでバチバチについていても本チャンでバチバチに付かない場合、おそらくボンドが悪さをしているはず
一度はみ出してきたウレタンボンドがいつまでたっても出続けてくる現象がそれを証明していると思う

左右行ったり来たり何度も叩き付ける
イメージ的に9尺なら4往復の200回打くらい
するとそこそこ満足していた突き付けが更に付き始め、景色がすこぶる良くなってくる
更にバリを強く飼うが、フィニッシュや細ビスなど追い打ちは一切しない
物理的に下からは出来ないし
強固に圧着出来た時の木工ボンド威力を信じている
だからこそ厚みや存在感がよりあるウレタンボンドはこの手の仕事には使わない


通り土間全てにこの作業
数えたら50尺以上あった
しかも袖壁の出隅だらけだし(笑)

今日の教訓
ボンドを使い面と面を合わせる場合、必ずボンドの逃げを
それは1×6フロアと框の時も同じ
そしてボンドを動かす為にこれでもかと叩こう!