現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

大工の本分

さて、フルリフォーム現場が佳境に
木完まで本日を入れて残り3日
正直終わるかどうか微妙
しかし限界まで伸ばしに伸ばして頂いた工期
今更押す事は出来ない

そこで後輩君の更に後輩のO君をボード要員として投入!
若干29歳らしい…
親父さんも大工のせいか若い割りに職人らしい佇まい
体型もそんな感じ(笑)
直営が基本だけど大手メーカーの手間もやったりと経験値は高い
建前以外で一緒に仕事をするのは初めてだったけど、一時間もすれば安心
赤い411が唸りをあげていた(笑)
期待してまっせ!

さて話は前日に戻るが、住宅街の日曜とあってなるべくコンプレッサー仕事は遠慮
細かい見切りを作り鉋で仕上げたりとちまちま仕事を
そこへお客様が差し入れと共にご訪問

先日、かつての玄関のイナゴ天井に使われていた竿縁の新しい嫁ぎ先として地窓の格子にと提案させて頂いたが数が足りず却下、それなら全身鏡の額縁や何かにと
一晩考えた結果、天井板も残しているならトイレの天井に使って欲しいと

これら天井材は解体初日に再利用するかもと丁寧に取り外しておいた物
しかし無垢だと思っていた天井板はベニヤベースの突き板
しかも前の大工の手垢満載で再利用を断念した経緯がある

その手垢も含めて前の家の面影
しかも新しいトイレはかつては玄関のあった所
建築に少し明るいお客様
工期の事も十分に分かっておられる上で「なんとかなりませんか?」と

工期的には限界MAX
しかし断る理由にはならない
監督さんもhさんの判断に任せますよと

しかし既にトイレの天井も壁もボードを貼り終えていた
廻縁レスの為このままクロス屋さんを迎えられる状態
今更解体をし新たに天井を作り直す時間はないので、お客様にはあくまでも竿縁天井風になる事を了承して頂いた

だってね〜本来上から張る物を真逆の下から張る訳だからね

日焼け跡が墨代わり(笑)

ツッコミどころ満載な納まりだと思う
正直、画像アップするのをためらったしね(苦笑)

でもクロスの100倍イイ!って喜んでくれたお客様の顔を見ると、これはこれで良かったと素直に思える
大工の本分って伝統、技術などいろいろあると思うけど、結局はお客様に満足して頂くって事なんだろうね
逆にそこがなければ意味がないと思う