現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

入隅下地

今回、内壁はボード直張り
多くの方は入隅下地は天井施工の前に入れると思う
天井下地にも必要だし、タイミング的にも良かと

しかし自分はボードを張る直前に入れている
しかもまずは片方のみ
自分の狙いとしては
・床をなるべく多く梁や板場に載せたい
・ボードをなるべく柱芯まで張りたい
・入隅下地に使う野縁の精度がいまいち良くない

素性や精度の悪い野縁を使うと入隅のボード同士が突き付け合わない
つまり矩が悪かったり、通りが真っ直ぐでない
結果としてその精度不良はクロス仕上げに出る
ストライプ柄は貼りたくても貼れない
素性が悪ければ、その後暴れる可能性も大
自動二面に通せば精度は上がるが、それをやるのはかなりの手間

そこで、まずはボードを張る側のみ入隅下地を入れる
ちなみに40ミリ側を見せる形でボンド併用+N75でバンバンと
ボンドを付けるのは、その後の暴れを抑えたい為

そして柱芯からボードを張る
結果として入隅下地にはビス打ちはしない
つまり精度の悪い野縁の影響をなるべく受けない形となる

その張ったボード上から、柱面の墨を打つ
そして墨に合わせ、あらたに野縁を打つ
これが、矩折り側の入隅下地となる

墨に合わせるので、通りの良し悪しは把握しやすく微調整しながら打てる
ボードを柱芯まで張ってあり、尚且つ野縁で抑えるので落ち着きが良い
防音や断熱性も多少なり上かと
昔の2×8ベニヤ壁に良く見られる手法
ちなみに建具上の入隅もこの手法で、ボードを張ってから入隅下地

慣れで面倒臭さは感じないが、手間といえば手間
しかしなぜか?最初から両入隅下地を入れる気にはならない