現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

ここは温室?

今日は朝から後輩の10尺トラックで親方に借りた建前用道具と長尺物の引き上げ。
7.5尺や6尺のパイプ脚立、ハサミの腕木、鋼製仮筋、15尺足場板など。
もっと早い段階で片付けられたが、ベランダ根太加工のタイミングに合わせた。

片付け後、そのまま親方作業場にて勾配根太作成。
この作業は何度も書いているので省略するが、傾斜盤(丸ノコ盤)と自動カンナ盤で同寸、同勾配の根太が幾らでも作れる。
自動に通す事で精度は高い。
仕上がった根太を載せ現場に戻る。

本来なら一階の床をやりたい。
しかし水道配管がまだ。
自分の連絡が遅くなったせいなので仕方がないが、14日の金曜日には金物検査。
間仕切り壁は床の構造用合板を張ってからの筋交い入れ。
床を張らない事には始まらない。
そこそこヤバイ段取りで微妙に焦る。

仕方なくベランダ施工を。
そのベランダはブルーシートでテントのように全面覆われている。
午後は雨予報だったが逆に晴れてきた。
晴れ間のブルーシートは暑さを倍増し、視覚を混乱させる。
完璧な雨養生が仇となる。

ベランダ施工で絶対に守らなければならない事がある。
それは1/50勾配以上とサッシの立ち上がり120ミリ以上。

今回はベランダまで同床レベルで構造用合板を張っている跨ぎのベランダ。
跨ぎのベランダと言っても高さには限界がある。
階段一段分がその限界かと。
さらにコの字で広い為、上記数字を守る為にかなり頭を悩ませた。

結果、跨ぎは室内側で225ミリに。
もちろん1/50勾配もサッシの立ち上がり120ミリも確保した。

構造用合板の上に勾配根太を3尺ピッチで這わせ、その上に尺間に1.5寸根太を転ばす。
根太間には45ミリ厚のウレタン断熱ボード。
ベースパネル12ミリ+ボード12.5ミリ+ケイカル12ミリの三重張り。
勾配根太下は構造用合板だけに荷を任せない。
基本下には梁があるが、両際は下から2寸根太を入れ補強し荷を受ける。

防水にはいろいろあるが今回もFRP
無垢、合板、集成材など木質系には直接FRPを張らないのが信条。
これまで監督として、大工として木質系への直接FRPの不備をたくさん見てきた。
避けるのが賢明。

実は勾配根太の前には立ち上がり1尺でケイカルを全面に張っている。
後から張るより確実に楽で湿気、断熱、防音対策にも有効かと。
また下まで張ってある事でケイカルは動きにくく、結果FRPが切れにくいとも勝手に思っている。

3種類ある3×6板はいちいち切らず、最初から一気に全てをカット。
例えばケイカルなら、メインの3尺8寸3分、立ち上がりの1尺、ドブの6寸6分、ドブの立ち上がり2寸5分×2枚てな具合で。
一気に切る事で、段取り的には確実に早い。
また端材をなるべく少なくなるようにするのも大切な仕事。

今日は後輩とコンビで作業。
一人×2より確実に仕事が早い。
10時からの作業で、6坪あるベランダのドブ残しまで施工出来た。
ドブはドブで更に面倒臭いけど(笑)

しかし今日のベランダは暑かった。
サウナとまで言わないがビニールハウスでの作業みたい。
温室育ちとは生温い環境を指すが、人間には酷。
何度、ブルーシートを剥がそうと思ったことか。
また痩せたな(笑)

午後からは待望の水道屋さん。
住設が正式に決まっていないので、とりあえず床が張れるように逃げ配管を。

明日は一人で一階の床断熱材を入れ、構造用合板を張って、筋交い14本(ダブル5箇所)入れて、金物を完璧にしないといけない。
かなり頑張らないと無理だろうな。
でも温室よりはマシなはず(笑)

追記
今も目を閉じても青白い何かが見える。
怖くて眠れなやしない(笑)