自ら墨をし刻む大工は、建前の前日は眠れないと。
でも自分はプレカット手間請け。
それでもぐっすりとは眠れなかった。
ベッドに入っても準備に不備がないか一つ一つ頭で確認。
明日の作業をシミュレーション。
建前独特の高揚感もジワジワこみ上げてきて、いつもより寝付きが悪い。
迎えた建前当日。
天気は嬉しい晴れ。
7時には現場へ。
お客様に挨拶をし、奮発した上棟祝いのお酒を渡す。
その現場は道路から私道30m入った奥にある旗地。
必要な道具を降ろしている最中にレッカー屋さん。
慌て車を出す。
一階は剛床仕様だが梅雨時期とあって実無し合板にし、あえて後張りにする。
朝一はその構造用合板を仮り置きし、安定した足場を確保する。
合板を敷いているうちに一人二人と応援の職人さんが現場入りし、手伝ってくれる。
とりあえずのメンバーが揃った頃には合板は敷き終わる。
改めてお客様と挨拶しお神酒を頂き仕事スタート。
メンツは大工3人、応援の職人さん6人、レッカー屋さんの計10名。
36坪の住宅としては頭数十分。
でもテーマはとにかく安全。
実は一週間ほど前、こちらの地域で大工が落ちて亡くなった新聞記事が。
挨拶に元請けさんからもその話題があり、気を引き締める。
まずは管柱建てから。
通し柱を絡め外回りから決めていく。
いつものように足場に乗っても、なるべく材の上に乗らないで下から建前カケヤで。
自分自身が高い所が苦手もあるが、なにより安全の為。
そしてプレカットの利点をより活かす為。
ぶっちゃけゆるいから出来る施工。
10時には一階がボルト残しで組み上がるつもりでいたが、少し遅いペース。
午後一から二階床の構造用合板を張る。
こちらは実付き。
後輩ご自慢のおニューMAX HN90N3の出番。
こちらは先日頂いたダンベルこと日立NV90AB。
少しエア漏れして修理に挑んだが諦めたヤツ。
そのまま持ち込んだが、今日は全く漏れがなく終日問題なく使えた。
譲ってくれたベテラン大工さんの「油をたっぷり差しときゃ直る」が効いたようだ(笑)
本来なら高圧を位置決めに、常圧を連射にするほうが効率が良い。
でも釘打ちに慣れていない電気屋さんがダンベル担当。
高圧はもちろん持ち主の後輩大工。
常圧で位置決めし高圧で連射。
足場の上に日立補助タンクUA430Hを括り付けてそこから分岐するが追っつかない。
やはり常圧連射かコンプ連結が必要。
二階も管柱建てから。
構造用合板の存在は作業を楽にそして安全にする。
なんとか垂木決めまで持っていく。
野地、破風板と鼻隠しを足場に上げ括り付ける。
最後に梵天を建て作業は終了。
下にまとめてもらった自分の道具の量にゾッとする。
現代大工は腕より道具(笑)
ちなみ愛機C14DSL2は落下にて臨終。
でも作業に携わった職人すべてが怪我なしでなにより。
上棟式を行い、超高級そうな二重仕出し弁当とお土産、そしてご祝儀を頂く。
お客様、ありがとうございました。
上棟おめでとうございます。
明日は日曜日。
でも梅雨時期の晴れ間は貴重。
垂木の鼻刈りから始めますか。
しかし疲れたな