現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

現場を離れて

新築で造作が終われば、他の業者が入る。
現場監督なら毎日顔を出すべきたが、大工は必要ない。
あとはおとなしく見守るだけ。

今回はオール無垢で渾身の施工。
普段でも気になって仕方がないが、それ以上の気持ち。

可能な限り朝と晩に顔を出した。
祈るような想いの中、二週間過ぎた。
クロスも玄関タイルも終わった。

仕上がりは…。
少し気落ちした。
手間請けの為、提案こそするが業者選定の決定権はない。
またどんなに話しても他の業者さんが自分の気持ちのすべてを汲み取ってくれはしない。
妥協と言う言葉ではなく受容しなければならない。

雨の今日は外壁張替えリフォームはお休み。
建具屋さんのボンゴバンに建具を乗せて新築現場入り。
慎重に建具を各部屋に運ぶ。

階段はぐるぐるに廻っているので、より慎重に。
新建材建具ならクロス貼り前の搬入は当然。
そしてこの時点で建具を付ける方がいるが、それは自分勝手で意地悪な行い。

今回の建具はオール杉。
でも杉は建具材としては不向き。
ガラススリットなど大きな開口は出来ない。
また2m高が限界で8尺クローゼット戸はとても無理。
昔ながらの框の大きい頑丈な作りで今時のスタイリッシュなデザイン不得手。
それでも赤味の趣は絵になる。

建具の取り付けは本職に任せて窓枠と入口枠のダンボール養生を外し片付けていく。
傷や日焼けが気になる。
今日は床の養生は手を付けず。
ダンボールをハイエースの乗せて現場をあとにする。

次の悪天候の日に床の養生を外すつもり。
階段手摺の本取り付けも。
外の水道工事も始まる

いよいよ完成が迫ってきた。


今日の現場談義

「業者選定」

新築現場ではたくさんの職人さんが出入りする。
大工はその中で一番多くの時間を過ごす為、同じ下請け同士でも別格な扱いをされる事がある?あった?あったかも?(笑)

ある忘年会で電気屋さんとクロス屋さんが大工はお客様や監督からも必ず大工さんと「さん」付けで呼ばれる。
でもこっちは電気屋!クロス屋!って呼び捨て。
いやいやそんな事はないでしょう。
元請け大工なら分かりますが、下請け大工は一作業員で皆さんと変わらないっすと反論。

でもよくよく考えると確かに下請け大工でも、他の職人さんよりマシな扱いかもしれない。
単価で判断されてしまうクロス屋さんは本当に厳しいと思う。
でも仕上げ仕事は多少高くても仕上がりの良さで選ぶべき。
同じ物を売る、サッシ屋さんや住設屋さんは値段有りき。

話が逸れたが、もし大工でなければどの職人を選びますか?
もちろん分かってますが、大工無しはお約束で。
それと現在の職も無し。
特に天職、道具屋&金物屋さんお願いしますよ(笑)

瓦屋さんは辛そう。
水道屋さん面倒くさそう。
電気屋さんは良さそうかな?
塗装屋さんも見せ所があるし。
20年前の左官屋さんなら。

でもやっぱり木に触りたい。
材木、製材屋さんがいいかなぁ。
新建材も扱う材木屋さんは半分はボードと合板だから嫌だな(笑)

いろいろあるけど他の職人さん、業者さんとは仲良くしましょう!