現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

胴縁施工と不陸解消

使う胴縁はエアホール胴縁20ミリのエゾ松。
先の新築で残った物も流用。
縦張りサイディングの通気を確保するには良い選択。

サイディングは3×10の14ミリで縦張り釘打ち施工。
リシン壁風のデザイン。
和風で化粧垂木に霧除け庇がある御宅。
雰囲気を崩さない為にこのサイディングに。

でもたまにありますよね。
それまで同じ様に和風モルタル壁で品良く納まっていた御宅が、タイル調やレンガ調などのサイディングに張替えて非常に残念な佇まいになっているのを。
高いお金を掛けてのリフォームする訳ですから、残念な結果にならないよう配慮を。

まずはレーザレベルにて水を出し最下端胴縁の墨を打つ。
これが基準となる。

そして構造用合板は不陸を考慮せずに張った為、まずは壁の不陸の把握。
土台と胴差しに白糸を張って通りを見る。
案の定、かなり悪い。

サッシの出、見切りなどそこかしこ考慮して、胴縁の裏に4ミリのパッキンを入れる事を基本とする。
そしてその裏のパッキンの厚みを変える事で不陸解消を目指す。
サイディングが縦張りなので胴縁は横に流す。

まずは土台へ胴縁を釘打ちする1.5尺ピッチのところのパッキン厚を白糸から読み、マジックで記する。
水切りが行くので胴縁は3連になる。
必要なパッキンを刺しながら胴縁をN65で打っていく。
使うパッキンも先の新築現場からの流用でもちろん無垢。
以前はベニヤで対応していたが、今回は外部であるので耐久性も求められる。
かなりの数と厚みを作ってあったが、今回は1.3.5ミリと用意しそれ以外は組み合わせで対応する事にした。

土台胴縁が止まればそこに馬鹿棒を乗せて他の胴縁墨を出す。
今回は1.2尺間見当で均等割り。
ポイント落として墨を打つ。
そしてサイディングのジョイントとなる桁と胴差し部分を土台の様にパッキンを入れながら3連に胴縁を打つ。

これで土台と桁につまり上と下に基準が出来た事になる。
そして矩と分決めしてある素性の良い間柱を不陸定規としてその土台と桁基準に当て、他の胴縁パッキン厚を読み現状にマジックで記していく。
サッシや庇が絡む所はその両端を読んでおく。

そして同じ様にパッキンをいれながら胴縁を打っていく。
サッシの上や下は両端が決まった所で短い不陸定規で間のパッキン厚を読みすかさず入れて打つ。

この不陸解消の手法は今まで内部胴縁施工でやっきた事の応用である。
散々やってきた慣れもあり心理的にも物理的にも面倒臭くはない。
しかしその精度は内部よりは落といる。

今回はパッキン厚の基準が4ミリ、でも実際には0〜9ミリまであった。
それだけの不陸があるのとないのではサイディングへの影響も変わると思う。
何より仕上がりに差が出る。
やるだけの価値は十分にあると思う。

不陸解消はハマるとパズルみたいでなかなか楽しい作業。
打ち終わった胴縁に不陸定規をバチーンと当て不陸がない事を確認できた時は最高である。

でもパッと見た目は全く不陸解消していない胴縁施工の方が綺麗に納まっている感じがする。
それはマジックの数字もパッキンも無いから。
お客様にこのパッキンの意味を分かって頂きたい。

今日の現場談義
道具購入 リサイクルショップ編

大工道具を扱ってあるリサイクルショップでマイナーな道具をたまに買っている。
マキタのジョイントカッタ
和風天井釘打ち機
チェーンソーノミ
タテピタなど。
それもかなりのお値打ちで。
程度も自分の目で確認出来るので、オークションよりリスクは少なくと思う。
リサイクルショップで道具を買った事がありますか?