現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

リシン壁解体

リシン壁の下にはラスカット。
ラスカットとは合板にセメントで凹凸を付けてある物。
下塗りとラス網を省略できる、優れもの?
今では構造用合板として耐力壁仕様にできる。

築25年ほどになる今回の御宅のラスカットは3×6。
ジョイント部にひび割れが目立つ。
ラス網の方がひび割れの可能性は高いかもしれないが一点に出るラスカットも万能ではない。

作業マスクと手袋は必需品。
使うのは二トリルゴムの厚手作業手袋。
革手袋は遊びが多くバタつくので好みではない。
ワイヤーを扱うの時に使う程度。

まずはハンマドリルに18ミリ錐をつけ穿孔。
ちなみに親方自慢の赤いヒルティ。
場所は柱、間柱芯に5寸ピッチ程度で、1.5尺間で横にも。
つまり1.5尺四方の周りに穴が開いている状態。

かなりの数の穴になるが、実際の作業はそう負担ではない。
モルタル厚が12ミリ程度の今回は一箇所の穿孔時間は5秒ほど。
目検討で埒良く開けていく。

剥がすきっかけになる所だけ、50ミリピッチ程度で細かく穿孔。
先に可能な限り穿孔しておく。

そしてその穴をきっかけに大バールでメリメリと。
穴と穴が繋がって剥がれていく。
最大でも1.5尺角の残材になる。
実際は途中で割れるのでその半分程度。
後で細かくする手間も省ける。
産廃コンテナにパズルのように敷き詰めていく。

それでも多少は残る。
平タガネで剥がす。
ちなみにこのヒルティにはケレンチゼルがあるが、壁使いには不向きだった。

今日はここまでと決めた所までリシン壁を剥がす。
出隅で縁が切れるが、荒く取ってよしにする。
そうそう縦樋のでんでんを忘れた。
一旦外してブラにし足場にくくりつけておく。

リシン壁を綺麗に片付けてからラスカットへ。
これはもうバールで地道に釘抜きしていく。
以前は細かくカットしたりいろいろとやってきたが、結局地味な作業が早いとの結論に。
バールでこじて剥がしても後の釘抜き作業は必要。
どうせ抜くなら最初から。
また今回は運良く釘打ちピッチ3尺で6〜7本と粗い。

それでも左手首に負担が掛かる作業、でも頑張る。
釘頭を一度叩いて動かしてから抜く。
剥がしたラスカットは産廃コンテナではなくまとめて直接産廃業者の作業所へ。
これでかなりの節約。

今回は一階南面の玄関以外の2/3を剥がした。
あれ?今日は通称サンダーのディスクグラインダーを使わなかった。
粉塵対策にもハンマドリルはいかが?

解体が終われば構造用合板を張る。
でも詳細は次回に。


今日の現場談義
サシガネ?曲尺?の話。
まずはなんと呼んでますか?
自分はサシガネ。

普段、現場では何を使ってますか?
自分は等厚で15ミリ幅の30センチと15センチ。
表が尺目で裏がミリ目。

15センチは釘袋に差してある。
メインが30センチなのは機動性を優先して。
今の現場では尺5寸が必要になる場面は少ない。

表裏が尺目とミリ目なのは頻繁に基準を変えるから。
フロアを少し斜めに切る時、右が6寸で左が184ミリとか平気。
キリの良い方に合わせる。

他にも両面尺目やミリ目、尺5寸や5寸法師や3寸法師など10本は車に乗っている。

知ってました?
サシガネを叩いて矩調整ができるって。
目から鱗の話。