現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

入口枠 ドア枠編

さて、やっとこさ入口枠施工の話。
現場では二階の入口枠7箇所+押し入れ枠1箇所は昨日には終わっている。
そして本日、建具廻りの細かいボード張りも終え、二階の大工工事は一区切り。
残すは通常の階段絡みとロフト階段2本そして屋根裏階段一本のみ。
ビス用棚など引き上げて、二階はいつでもクロス屋さんが入れる状態。
誰が来るか不安で仕方が無い。

では入口枠の話。
二階にはドア枠が2箇所、片引き枠が5箇所ある。
使い勝手を考えて、極力ドアは付けない方針。
ドア2箇所はやもを得ず。

枠の基材30×105の古い間柱と48×110の杉の内法材。
ドアは三方同寸。
片引きは鴨居だけ厚材で。
枠は縦勝ち組み、見切りは留め。

まずはドアの話から。
枠の仕上がり寸法は縦が102×27、鴨居は98×27ミリ。
見切り溝18幅、戸当り溝21幅それぞれ溝突きしてある。
しかし入隅になる縦枠は見切りを入れない為、溝無し。
縦枠と鴨居の見切り溝は組んだ時、同じ深さになるよう設定。

入口下地のマグサは予定仕上がり寸法より15ミリ高くしてある。
これは新建材でも同様にしている。

縦枠を仕上がり寸法より12ミリ長く切って仮り入れし、現状にて床の突き付けをヒカル。
新建材の場合カット無しの長さになると思う。

今回は10ミリ幅のサシガネ3寸法師で床の突き付けをカッターでケガキ、カット。
綺麗に真っ直ぐならスライドで。
への字になっているならスライド+手鋸かオール手鋸で。
見えなくなる裏側はスライドで刃厚分取り、突き付けの向上を狙う。

縦枠を現状に置いだけでピタッと基準墨に合うまでかまう。
鉋より鑿を立てて使う事が多い。
枠が手放しでも基準墨に合えば合格。

この作業は掃き出しサッシ枠でも、新建材枠でも同じ事。
ノンケーシングの幅広枠を単純に矩に切れば恐ろしい光景が待っている。

入隅側の縦枠は見切りは無しの為、先行幅木と絡む。
その幅木は1ミリ程度強くしてある。
当たりを見ながら枠と幅木裏を鑿でチビチビかまう。
杉の為、ある程度の所でグッとやってドンと叩くとピタッといく。

これまで先行幅木はタモがほとんど。
タモは硬くそしてかなりヒケるので、当日は良くても翌日はスクことはよくあった。
ここだけはタモより杉は扱いやすかった。

縦枠左右が決まれば鴨居の位置出し。
鴨居下端は床から2000を基準にしている。
そして上端カット。
下端のかまいが上手くいかず、たまに短くなる事があるが今回は縦枠上端は見切りで隠れる為、多少短くてもかまわない。

左右縦枠を仮り入れし、のび助で鴨居長を測る。
一旦、胴縁で切り塩梅と矩を見る。

すべてが揃えば枠組み。
しかし今回は、もう一手間。
丁番掘りをする。

事前に建具屋さんと打ち合わせしてあり、お揃いのバカ棒を作り丁番の高さと位置そして深さは決めてある。
立っている物を掘るより、寝ている物を掘る方が楽なのは明白。
ましてや今回は杉、責任を持って掘る。
この建具屋さんは普段からとても可愛がって頂いており、頻繁に飯をご馳走になっている。
丁番掘りは少しばかりの恩返し。

全て準備が揃えば枠組み。
双方の戸当たり溝に短い戸当たりキレを差し縦枠と鴨居の関係を確かなものにしフィニッシュでかりどめ。
下穴を開け逆枠ビスで止める。

入隅側の縦枠は納めやすさとクロス厚を考えて5厘程度シャクってある。
慎重に叩き入れていく。
ここで活躍するのは玄翁ではなくチビカケヤ。
当て木をしてトントンと入れていく。
ちなみに枠の基準墨は白墨。

枠が入れば、縦枠天にクサビをかい床との突き付けを良くする。
縦枠を戸当たり溝から250ピッチでビス止め。

マグサと鴨居には15ミリの隙間が生まれる。
そこに5分胴縁を両面から入れ込む。
必要なら鉋で薄くするが、今回は気持ちよく挿入!
柱ツラになったらクランプをかい、マグサ上からビス止め。
この胴縁は見切り受けにもなる為、目違いは厳禁。

枠が納まれば見切りの出番。
見切りの基本寸法は27×27ミリ。
二面シャクってあり、形状は複雑。
一方は枠溝18ミリに差す。
もう一方の化粧側はボード厚12.5ミリ残しになり、仕上げ見込みは21ミリになる。
その12.5ミリ×6ミリから柱に細ビス止めをする。
この場所は後にクロス貼りとなり隠れる。

この見切りは兄弟ブログのつまらん日記の和室入口見切りと似た形状。
面は二分銀杏面。

見切りの留めは合うようでなかなか合わない。
先に切れ端で角度調整の目安をつけておく。

新しい試みとして、留め角度に対して直角に40細ビスを打ち留めの突き付け向上を狙った。
サンキューtaka!

戸当たりはそこそこ固めにしてある。
しかしこのままでは、脳天止めは避けられない。
ここまで幅木も廻縁も枠もビスはもとよりフィニッシュもピンも見えないよう努めてきた。
やはり戸当たりもそうしたい。
戸当たりは面がある為、留めになる。
鴨居側はその留めで隠れる所にフィニッシュ打ち。
縦枠は床で使ったにかわボンドをつけバリにて圧着。
仮に問題が出たらピンで止めるつもり。

今日の反省
毎回、まとまりの無い長文をダラダラ書いて申し訳ありません。
でもさすがに今回は長過ぎですね。
作業工程をおって書いていくと知らないうちに長くなってしまいますorz
片引き編はもっと長くなりそうなので割愛しようかと思ってます。