現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

床張り 玄関框編

玄関框への床張り。

納まりのおさらい。
床板は杉の18ミリ厚。
框は下地+20ミリに設定。
その框には下張りから9ミリ深さ5ミリ小穴付きしてある。
もちろん床板をシャクって差し込む為である。
浮き上がり防止はもちろん、框と床板の関係が綺麗になる為でもある。
時々ありますね関係の悪い框と床板。
そうならない為のシャクリである。

框のヒカリ方は先のリフォームで使った手法と同じ。
12ミリ長く切って15ミリ下がりでザシガネでケガく、そしてカット。
しかし今回はシャクリが必要。

丸ノコではなくスライド丸ノコの出番。
マキタを使った事がないので日立しか分からないが、その日立には深さ2段切替機構がある。
それを使ってシャクる。
しかし現行の6型にはないので、購入する気になれない

18ミリ厚の床板の下9ミリ残る用深さ調整する。
注意事項としてあまり実が硬いと框がとんでしまう。
それは最悪のケース。
深さ調整の設定は神経質なくらいに。

またこの深さ機構は常に頭に入れておかないと肝心の所で短くカットしてしまう事もある。
カット、シャクリと言い聞かせながら作業する。
ホゾ取り機と同じ感覚かな。
そのホゾ取り機で1寸角のホゾにしてしまったのは痛い思い出。

まずはシャクリを作る。
深さ調整機構をオンにする。
ケガキに合わせて矩を調整する。
でもターンテーブルは触らない。
床板とガイドの間に梱包バンドの切れ端を挟み矩を微調整する。
バンドの位置、数で対応する。
慣れればターンテーブルを触るより早い。
多少刃を入れながら確認しOKならケガキラインで奥から手前に毛引く。
毛羽立ち防止の為。
そして材を2ミリ程度左に戻して押し切る。
この作業を2〜3回行いシャクる。
5ミリ程度シャクったら、深さ調整機構を解除しケガキ+4.5ミリでカット。
鑿で肌を綺麗にし実の面を軽く取る。
雄片実の完成である。

これを框の小穴に差し込む。
すべての作業はやりながら精度とスピードを上げていく。
今回は13枚の片実加工が必要。
ペースは徐々に上がり関係する床張りと含めて2時間程で框への床張り、つまり玄関先の床張りが終わる。
突き付けはもちろん、框と床板の関係は良好!

ちなみに納まりによって15ミリ下がれない時がある。
その場合は10ミリ幅のサシガネや均厚のサシガネを立ててケガいている。

追記
掃き出しサッシも同様。
アングルピース分をシャクって差し込む。
またビス穴は馬鹿穴にし割れに備える。
その為、付属の枠ビスでは長さが足りない。
サッシ屋さんに頼み同サイズの足長を手配。
下張りまで届くようにする。
また長辺側はケガキ後に丸ノコでアングルピース厚分の切り込みを入れ小穴カッタではらう。
玄関も同様。

ここではクイズというか、皆さんの意見を募集します。
今回のLDKは3×3間。
そのど真ん中には大黒柱があります。
これはオール無垢の構造材の為の対応。
その柱はあまり関係ないが、3×3間(18×18尺)を3940ミリ(13尺)のエンドマッチしてある床板を皆さんならどう張りますか?
もちろんジョイントの話です。
根太は尺間です。
すでに張り始めてますが、俺ならって話をよろしくお願いします。