現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

畳からフローリングへ 仕上げ編

昨日の続き
11時半。
予定よりずっと遅くフローリングを触る。
フローリングは1×6の12ミリのごくありふれた安い物。
でも最悪のMDFではなくホッとする。

四面突き付け。
ヒカり方は人それぞれあると思う。
大切なのは方法ではなく仕上がりとスピードのバランス。

まずはフローリングが当たる部分の巾木に敷居用のすべロウを擦り付ける。
床鳴り対策。
効果の確証はないが一手間掛ける。
もちろんカットしたフローリングの切り口にも擦り付けている。

そして割りを出し墨打ち。
3尺ずらしの千鳥張り。
尺で4つ割目地。
目地も意識して割りを出す。

一枚目実の合わせ墨から15ミリ下がった所にもう一本墨を打つ。
そしてその墨に素性の良い野縁をビス止め。
ジョイントも15ミリ下がった所に墨をする。
つまり短辺、長辺とも仕上がりから15ミリ下がりの墨を記する。

フローリングは必要の長さも幅も+12ミリ長く切る。
そしてそのフローリングを野縁とジョイント+15ミリ墨に当てる。

まずは短辺側から。
15ミリ幅のサシガネを巾木に当てカッターにてケガク。
つまりこれが切り墨。
塗膜を切断するまでしっかりとケガク。
フローリングによっては塗膜が硬い物があるが、力ではなく回数で対応する。
ケガキの失敗は仕上げに傷を付ける事になる。
慎重さとカッターの刃を惜しまない気持ちが必要。
ちなみに最初は良く切れるオルファの黒刃。

そのケガキを丸ノコで一発切り。
深いケガキの為、フローリングが飛ぶ事はほとんど無い。
スライドも使う事もあるが、今回はリフォームで現場はアパート。
また当然、長辺は丸ノコカットになる。
刃が新品なら問題なし。

短辺が切れたら、それを巾木と野縁に当て長辺を同じ様にケガク。
そして丸ノコで一発切り。
自分は効き目が左で有利なのか、この作業が得意で綺麗に切れる。
もちろん残った時は鉋で構う訳だが今回はトータルで5分も鉋に触っていないと思う。
またケガキが目安になる為、鉋掛けは楽である。

カットできたら現場合わせ。
問題がなければOK!
でもすぐには止めない。
ジョイントとその15ミリ下がり墨をし、一旦外す。
そしてその先のフローリングも同じ様に設定しケガキカット。
同じ通りのフローリングが揃ってからボンドを付け止めていく。

今回は出だしの6尺+6尺が納まったのは12時半過ぎ。
一通り目が出来れば後は早い。
安心して遅い昼飯を取る。

1時半前には作業再開!
二通り以降は短辺だけのヒカりになる。
12ミリ長く切って15ミリ下がり墨でケガきカット
その繰り返し。
もちろん通りのフローリング全てが揃ってから止めていく。
現物を現地でケガク訳だからズレは無い。
長さの塩梅だけに集中できる。

ラスト通りまでは淡々と作業は進む。
でもラスト一つ前の通りは張らない。

張り始めと同じで張り終いも、5分下がりに野縁を打ち現物を現地でケガきカット。
ラスト通りを確認してOKならラスト前を張る。
そしてラスト通り。
今回は新建材の巾木。
あまり無理はできない。
無垢相手より墨糸半分小さいイメージで。
6+6の12尺を一度に入れる。
バチーン!
ビビって若干小さい?
いやいやウッドコークなんて必要ない。
巾木も問題なし。
OK!OK!と自画自賛したのが3時半。

敷地内にある自販機でデミダスの青い微糖を。
ふうっ〜と一休み。
今日の作業を振り返る。
何とも言えない達成感に浸る(笑)

実は秋にも同じアパートの二階で6帖和室二間をフローリングにしている。
その時は、工事だけで一日半掛かった。
二日目の午後は片付け。

今回はあわよくば3時には片付けまでは終わって新築現場にいくつもりであった。
でも片付けが終わったのが4時15分。
これから新築現場に戻るのはさすがに億劫。

そうだ!
ベテラン大工の所に行って仕上がった窓枠を積もう!
作業場についたのはまだ5時前。
でも居なくて向かいの自宅に。

赤ら顔で上機嫌の大工さん登場!
「もう飲んでるか!」
と心の中で突っ込む。
「半分は出来てるから持ってけ、今日は土曜だから半ドン
「金曜ですけど!」と強く心の中で突っ込む。
一部をハイエースに積んで後にする。

大変にお世話になっているベテラン大工さん。
しかも手間代は安い。
正直心苦しさもあったし、申し訳ない気持ちもあった。
でも少しだけ、ほんの少しだけだが気が楽になったかな(笑)

今日の小ネタ
床職人などボンドは気を付けいてもどこかについてしまう。
その拭き取りには色々と選択肢がある。
自分は植物由来のアルコール除菌スプレーと100均の150枚入のウエットティッシュを使う。
ウエットティシュのボトルにアルコール除菌液をたんまり染み込ませ使っている。
材にも手にも負担はない。
5年以上使っているが無垢材でも問題はない。
もちろん和室仕事にも使っている。
何よりも液の拭き取りが不要な所と安値なのが気に入っている。
ウエットティシュにより拭き掃除も容易、だからなんにでも使っている。
新築でもリフォームでも欠かせない存在。
周りの他の職人さんも真似している。

オススメはフマキラーのアルコール除菌スプレー。
でも高い。
そこで100均の物でも代用できる。
でもダイソー大きめボトルは泡を吹く。
セリアがオススメ。
現場に100均グッズがたくさんあるのは貧乏大工ならではかもね?

追記
イエーイ!
1×6ダンボール3つゲッツ!
でも腰が…。