現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

ベランダの話

本日は快晴!

前日と前々日とさぼり気味だったので、今日は頑張ろう!
騒がしいブルーシートみたいな作業シートを取っ払い、3間×4尺5寸のベランダを作る。
過去、監督時代にベランダには苦い経験が何度かある。
以来、かなり神経を使っている

ベランダ勾配は1/50以上が求められる。
まずは3尺間隔にある小梁の上に勾配根太を乗せる。

この勾配根太はこの前、窓枠を分決めした時に作ってある。
1.5寸角で4尺長を1/50勾配の墨を打って斜めに切る。
切断面を手押しかんな盤で整える。
これが定規。
さらの1.5寸角と定規をダブらせ幅調整した昇降盤で挽く。
定規によって同じ勾配の物が作れる。
切り幅は同じ物が同時に二本できるようにしてある。
つまり真半分。
具体的に言うと4尺で3分から1寸1分の勾配根太。
これだけでも良いが真半分で切ったつもりでも多少は差が出る。
また切断面も荒いし、矩も不安定。
そこで定規と合わせて今度は自動かんな盤に通す。
すると綺麗で同じ寸法の勾配根太が完成。
でもこの作業は一人では難しい。
昇降盤と自動かんな盤に通す時はこっちと向こうで二人が必要。
今回は3間あるので7本必要だか、真半分で作るので8本作る事になる。

上記の勾配根太は精度はかなり低くなるが、丸のこ一つで現場で作る事も容易。

勾配根太上に構造用合板を12の二枚張りや24や28の一枚張りをする方もいると思うが、自分はその勾配根太に1.5寸角を尺間に転ばす。
間に断熱材を入れ、普段ならベース12+石膏ボード12+ベース12+ケイカル12の四重張りにしている。
でも今回は合板&集成材レスが目標。
一階の下張りと同じ檜21+石膏ボードのスーパーハード12+ケイカル12の三重張りに。
ドブも三重張りの働きで200ミリ程度になるようにしてある。
また床下地は3000ミリ長の床材三ツ割寸法の1m弱に。
ドレインは両端の二箇所。
ドブの受けは1.2×3.5寸の窓台流用で笠木側はへの字勾配を取り桁に打ち付け。
小梁部分欠損が大きいので、しっかり小梁にアゴを乗せ。
ドブの手前側は、檜の床板天に合わせて転ばし根太に水平に取り付け。
アレ?水平だと…。
そう、そのドブ手前側の受けには小穴カッタ21ミリ幅で勾配に溝が突いてある。
奥の受けと溝でドブ勾配が完成。
一階床で出た檜の床板をその溝にはめ込んでいく。

仕上げのケイカルはサッシ側の立ち上がり+床面+ドブ+ドブ手間の立ち上がり+笠木側の立ち上がりでちょうど6尺になり、端材が出ない寸法で一挙にカット。
その他いろいろあって最終的にはすべて真っ白なベランダが完成。

本当はこの3倍ほどの情報を盛り込み、アホみたいに詳細に書いましたが自分で読んでもわからなくなりそうだったのでこの程度にまとめました。

えっまとまっていない?
誠に申し訳ありません。

完成間際の暗くなりかけた頃、FRP防水屋さんが下見に。
やっぱり違うねぇ〜と、お褒めのお言葉。
ふふっと喜びも束の間、来週の月曜日に来ますと。
げっ!
またブルーシートみたいな作業シート貼るのかいな!
しばらくはバタバタとうるさい現場のままです。