現代大工の悪足掻き日誌

田舎大工の作業日誌

窓の話 その2

このブログはリアルタイムで書くつもりでしたが、3日遅れになっています。
ご了承願います。

本日(金曜日)は雨。
朝一番で、現場チェック。
ブルーシートみたいな作業シートでぐるぐる巻きにしてので、室内への雨漏りは全く無い。

屋根のアスファルトルーフィングを鼻隠しと破風にも巻きつけるようにしてもらってるので、安心。
ただこれ以上風が出ない事を願う。

ブルーシートの下で仕事をすると頭がクラクラする。
その青白い光が神経を惑わせると思う。
なので今日は現場での作業を辞めて窓枠作り。
日曜日出勤してもらった先輩には休日を。

お客様の要望は無垢材に囲まれた空間。
自分もそんな家を造りたい。

でも現在の住宅、特に今回のようなコストに厳しい住宅の窓枠や建具枠はほとんどは新建材。
もちろんドアも。
それはMDFやLVLベースに木目調シートを貼った代物。
実際に安いが、その安っぽさと耐久性の無さはとても受け入れられない。
人が絡む所は10年経たずにベロベロにめくれてくる。
大手メーカーで無垢材を使用した物もあるがやけに高いし、一度使ったが品質も気に入らなかった。
そもそもその樹種と生産国が気に入らない。

でもコストを考えると建材メーカー品か、節や目を大きく妥協して無垢材にするか、どちらかの選択かと諦めかけていたが材木屋さんから本来、内法に使うもので杉の6尺2寸×1寸5分×3寸6分なら安く出せるとの事。
今回の物件は柱が105、外部に構造用合板は張らない、内壁は12.5ボード直張り。
窓枠は3.5寸幅あれば事足りる。
ここら辺の和室はほとんどが桧。
杉の内法の流通は少ない。
きっと苦労して探してくれたと思う。
感謝です。
でも掃き出しや入口枠を考えると長さが足りない。
家一軒分の枠材を確保しないと踏み切れない。

そこで知り合いのベテラン大工さん達に聞いてみる。
桧はあるけどなぁ〜と皆さん同じ返事。
でも兄弟弟子で杉を好んで使ってる奴がいたからと紹介してもらった。

その大工さんは数年前には亡くなっており、三相の機械や手道具の一部はお弟子さん達に譲ったが、在庫の建材はほとんど手付かず。
杉はもとより桧の柱から内法など結構な数。
お目当ての杉の一寸厚で10尺物が40本以上あった。
おそらく内法用ではなく間柱で無節で目の綺麗な物を使わず仕上げ材として残していた物もだと思うが十分な赤味。
嬉しい事に奥様からすべてを持っていってくれるならタダで言いと。
でも自分にはこれだけを在庫出来る作業場がない。
何気に忙しい親方に言ってもいい返事は期待出来ないので、紹介してくれたベテラン大工さんに相談。
うちに置いとけばいいと二つ返事。
めでたく枠材と在庫置きを確保!

でもお言葉に甘えきってはいけませんので少しばかりの謝礼を置いてきました。
もちろんベテラン大工さんにも。

これが10月頭の話。

そして雨のこの日、そのベテラン大工の作業場を借りて分決め。
直角二面自動かんな盤が無いのでひたすら手押しで!
矩出しと厚みだけで本日は終了。
仕事量が少ないのは無理がない。
雨は気が乗らないし一日中、ベテラン大工さんの話を聞いてた気がする(笑
それでも全く肩が上がらない。
明日は大丈夫か?